ケニアビジネス界、日本からの投資拡大やスタートアップに期待

(ケニア、日本)

ナイロビ発

2019年10月09日

ケニアでは、2016年に第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)が開催されたこともあり、政府やビジネス界を中心にTICADが広く認知されている。8月28~30日に横浜で開催されたTICAD7には、ウフル・ケニヤッタ大統領や閣僚をはじめ企業関係者も数多く来日し、期待の高さがうかがえた。28日にはケニヤッタ大統領と安倍晋三首相による首脳会談が行われた。外務省発表(8月28日)によると、安倍首相がモンバサ地域の開発やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの支援を進める意向を伝えた一方、ケニヤッタ大統領は貿易や投資分野での協力を強化していきたいと述べた。ケニア政府は、投資環境を紹介するサイドイベント「ケニアビジネスフォーラム」を30日に開催した。ケニアから参加したビジネスデリゲーションに加え、モニカ・ジュマ外務・国際貿易長官やジェームス・マチャリア運輸・インフラ開発長官らが参加した。

地元メディアも、日本からの投資に高い関心を示し、ヤマハ発動機とケニアのアストラル・エアリアル・ソリューションズとの覚書(MoU)締結を大きく報じた。両社はジェトロが主催した「日本・アフリカビジネスフォーラム」中のMoUセレモニーに参加した(2019年9月2日記事参照)。ヤマハ発動機は9月17日のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、ドローンによる農薬散布、災害などの被災地での情報収集や物資運搬の実現に向け、アストラル・エアリアル・ソリューションズと連携することを発表した。

アフリカのスタートアップと日本企業との協業に注目が集まる中、日本・アフリカビジネスフォーラムにパネリストとして参加したサバンナ・ファンドのボワナ・アリー・マネージングパートナー(2019年9月2日記事参照)は9月30日、ジェトロの取材に対し、「TICADでこれほどスタートアップに注目が集まったのは初めてだと認識している。ピッチイベント(2019年9月6日記事参照)に参加したスタートアップも多くの商談に臨んだ。ベンチャーキャピタルの私にとっても、日本企業の投資への考え方を理解する良い機会となった」と述べた。

写真 日本・アフリカビジネスフォーラムでコメントするボワナ氏(ジェトロ撮影)

日本・アフリカビジネスフォーラムでコメントするボワナ氏(ジェトロ撮影)

(久保唯香)

(ケニア、日本)

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