TICAD7公式サイドイベントに政財界トップが登壇

(アフリカ、日本)

中東アフリカ課

2019年09月02日

第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が8月28~30日に横浜で開催された。ジェトロは会期中の8月29日、TICAD7公式サイドイベント「日本・アフリカビジネスフォーラム」を開催した。安倍晋三首相と並んで、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領、ジンバブエのエマーソン・ムナンガグワ大統領のほか、日本とアフリカを代表するビジネスリーダー21人が登壇し、日本・アフリカ企業関係者約1,000人が参加した。

冒頭、ジェトロの佐々木伸彦理事長は主催者あいさつで、「アフリカは日本企業にとって、自らの展開力が問われる試金石となる市場。ジェトロは地場企業や政府との連携を深め、日本企業の進出を支援していく」と強調した。続いて、安倍首相は、「アフリカは今やともに成長するパートナー。新興国を中心に世界中から投資が急速に増えている。日本企業もこの好機を生かし、今こそ歓迎の声に応える時」と訴えた。エルシーシ大統領は、各国の法整備の進展やアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定の発効を受け、投資環境が改善していることを説明した。ラマポーザ大統領は、日本企業とアフリカ企業が「コンタクト(連絡)」を取り、「コントラクト(契約)」に進展するよう望むと述べた。

写真 開会あいさつをする佐々木理事長(ジェトロ撮影)

開会あいさつをする佐々木理事長(ジェトロ撮影)

写真 来賓あいさつをする安倍首相(ジェトロ撮影)

来賓あいさつをする安倍首相(ジェトロ撮影)

オープニングセッションに登壇したトニー・エルメル財団の創業者トニー・エルメル氏は、インフラ投資や製造業における協力関係の強化、アフリカの労働力を担う豊富な若年層への投資を呼び掛けた。続けて、エチオピア航空グループのテウォルデ・ゲブレマリアム最高経営責任者(CEO)は、自社の航空路線の拡大によってアフリカの物流網が強化されていることを強調した。スタンダード銀行のヤッコ・マレー副会長は、アフリカ経済が成長している中、現地パートナーと組んで参入することを日本企業に促した。経団連サブサハラ地域委員長を務める小澤哲氏は「域内貿易の拡大」「デジタル化」「製造業を国際分業体制に組み込むこと」がアフリカを成長させると訴えた。

4つの重点分野で覚書110件を締結

フォーラムに合わせて開催された覚書(MOU)式典では、世耕弘成経済産業相がTICAD7に合わせて日本・アフリカの政府機関・企業間で、MOUが計110件締結されたことを発表した。デジタル・イノベーション、質の高いインフラ、人材育成、民間投資促進の4つの重点分野を中心に、日本・アフリカ間の協力関係強化を示すものだ。テーマ別パネルセッションでは、「アフリカ・イノベーション&スタートアップ」と「第三国連携」をテーマに、日本・アフリカのビジネスリーダーによる活発な議論が行われた。

写真 来賓あいさつをするエルシーシ・エジプト大統領(ジェトロ撮影)

来賓あいさつをするエルシーシ・エジプト大統領(ジェトロ撮影)

写真 来賓あいさつをするラマポーザ・南ア大統領(ジェトロ撮影)

来賓あいさつをするラマポーザ・南ア大統領(ジェトロ撮影)

(清水美香、山崎有馬)

(アフリカ、日本)

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