鉄鋼・同製品の一般関税率引き上げを延長

(メキシコ)

メキシコ発

2019年10月02日

メキシコ政府は9月20日、鉄鋼および鉄鋼製品に対する一般関税率の引き上げを延長する内容の政令を官報公示した。今回の一般関税率の引き上げ(15%)の延長は、これまでの時限的措置(6カ月)の更新、継続とは異なる。対象品目は186品目から228品目へと細分化され、9月22日から適用されている(添付資料1参照)。これらの228品目については、一部を除き、2021年9月から段階的に税率が引き下げられ、その多くが2024年8月22日に無税となる(添付資料2参照)。

メキシコ政府は、国内産業の保護を目的に、鋼材について2015年10月8日に0%だった一般関税率を15%に引き上げ(2015年10月14日記事参照)、2018年6月5日には対象を鋼板類から棒鋼や鋼管にまで広げた(2018年6月7日記事参照)。今回の政令は、鉄鋼および鉄鋼製品の一般関税率の引き上げ延長と同時に、関税分類番号(HSコード)の修正も行った。具体的に、82の品目を新設したほか、25品目について品名を修正し、21品目を廃止した。官報によれば、これらHSコードの修正は、2019年5月17日に米国の1962年通商拡大法232条に基づく追加関税およびその報復措置の撤廃に、米国、カナダ、メキシコ政府が合意した際(2019年5月21日記事参照)、米墨両政府間で両国間の鋼材、鉄鋼製品の輸出入量をモニタリングすることになったことに対応するものだ。

なお、HSコードの新設などに伴い、産業別分野別生産促進プログラム(PROSEC)の電気、電子、自動車分野の対象品目については、項目の追加が行われた。対象品目については、PROSEC登録企業が輸入すれば関税が免除となる。また、日本からの輸入については、日本メキシコ経済連携協定(日墨EPA)を活用すれば、PROSECの取得状況にかかわらず、無税で輸入可能だ。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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