米国、カナダ、メキシコ、5月20日に鉄鋼・アルミの追加関税と報復関税を撤廃
(米国、カナダ、メキシコ)
米州課
2019年05月21日
トランプ大統領は5月19日、1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づくカナダ、メキシコ産鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を撤廃する大統領布告(鉄鋼、アルミニウム)を発表した。米国は、カナダとメキシコからの鉄鋼とアルミニウムの輸入によってもたらされる国家安全保障の脅威に対処するための代替手段について、両国と成功裏に協議を終え、さらにダンピング価格で販売される当該製品の輸入や第三国で製造された当該製品の再輸出を防止するための効果的措置をとることで合意した(2019年5月20日記事参照)。トランプ大統領は、これらの合意により「カナダとメキシコからのアルミニウムの輸入はもはや国家安全保障を損なう恐れがない」と判断し、追加関税を定めた大統領布告第9704号と第9705号を修正し、5月20日午前0時1分以降に通関される両国製製品を追加関税の適用除外にするとした。
米国の大統領布告を受けて、カナダのビル・モルノー財務相は5月20日、カナダは米国に対する報復関税措置(2018年7月2日記事参照)を撤廃すると発表した。モルノー財務相は「関税・報復措置の撤廃は全ての関係者にとって真のウィンウィンとなり、カナダと米国の労働者、地域社会、両国経済にとって素晴らしいニュースとなった」と述べた。
メキシコ政府も5月20日付の官報で、2018年6月5日付官報公布政令に基づく対米報復関税を撤廃する政令を公布した(2019年5月20日記事参照)。
(中溝丘)
(米国、カナダ、メキシコ)
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