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香港の飲食業、政府への抗議継続の混乱で閉店相次ぐ

(香港)

香港発

2019年09月10日

香港で飲食店の閉店が相次いでいる。ここ数年来、香港の飲食市場は順調に拡大してきた。2018年の飲食業総売上高は前年比6.1%増の1,196億香港ドル(約1兆6,744億円、1香港ドル=約14円)と堅調に推移し、2014年から19.1%増加した(図参照)。

図 香港の飲食業売上高

そうした中で、最近の「逃亡犯条例」改正案への反対運動をきっかけとした大規模デモの継続に伴い、消費の低迷が顕著となっている。多くの飲食店が集中する中環(セントラル)、銅鑼湾(コーズウェイベイ)、旺角(モンコック)などでは、抗議活動が頻発しており、特に発生が集中する週末や夜間を中心に、飲食店の利用客が減少している。

8月30日付の「星島日報」によると、旺角にある海鮮料理店「新昇海鮮酒家」が8月29日に突然閉店。従業員によると、抗議活動の発生後は売り上げが4割減少していたという。また、現地メディアに対し、香港餐務管理協会(HKCSM)の楊位醒会長は「6月以降、既に20店のレストランが閉店しており、混乱の継続で外食産業にさらなる閉店の波が押し寄せることを危惧する」と表明した。

日本などの飲食店の閉店事例も

2013年に香港へ進出した台湾の人気カフェ「珈琲弄」(Coffee Ally)は、8月末日をもって、銅鑼湾、尖沙咀にある全2店舗を閉店した。同店は8月22日付のフェイスブックで、経営状況を考慮して閉店することを投稿した。

写真 閉店した「珈琲弄」銅鑼湾店(ジェトロ撮影)

閉店した「珈琲弄」銅鑼湾店(ジェトロ撮影)

また、2015年に香港へ進出した日本の人気チーズタルト店「BAKE CHEESE TART」は、直接的なデモの影響には言及していないものの、8月30日に銅鑼湾SOGO店を閉店した。9月下旬には観塘APM店の閉店を予定しており、香港市場からの撤退となる。

日本を含めた大手外食チェーンや小売りの進出も続いている。外食では、日本の大手回転ずしチェーン「スシロー」が8月13日、香港1号店をオープンした(2019年9月6日記事参照)。今後3~5年で、香港内に最大50店舗の展開を目指すとしている。米国のシーフードレストランチェーン「レッドロブスター」は、11月に銅鑼湾へ進出する予定だ。

小売りでは、7月に「ドン・キホーテ」が尖沙咀に進出したほか(2019年7月18日記事参照)、マツモトキヨシも、今後、香港でのドラッグストア事業を展開することを発表している。

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9月4日、「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を表明した。これを機に香港経済が落ち着きを取り戻すのか注目される。

(渕田裕介)

(香港)

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