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税関による事後調査の増加や電子申告センターの体制不備が浮き彫りに

(ロシア)

モスクワ発

2019年09月05日

ロシアとの貿易上の問題点として、通関事情を挙げる企業は多い。ジェトロは9月4日、毎年実施している在ロシア日系企業を対象にした通関問題アンケート(注)の結果をとりまとめた。過去1年間のうちに通関問題・トラブルに直面したと答えた企業の割合は48%(前回調査比5ポイント増)で、そのうち2018年下期での発生が67%、2019年上期は83%となり、2019年に入ってから問題・トラブルの発生が増加している。

主な問題・トラブルとして、「追加文書提出要求」「適用HSコード修正要求」「課税標準価格修正要求」が過去の調査と同様に上位に挙がった(添付資料の図1参照)。「追加文書提出要求」について、鋼管製品やベアリング製品の輸入で今まで求められなかった原産地証明書を突然請求されたという事例が複数挙げられた。これは、ユーラシア経済連合がウクライナや中国に課しているアンチダンピング措置の影響によるとみられる。

そのほか、「抜き打ち検査・事後調査の件数・頻度増加」「税関からの照会件数・頻度増加」が前回調査と比べ、それぞれ10ポイント、18ポイント増加した。電子申告制度の整備により、通関申告からリリースまでの時間は確実に短縮されている一方、事後調査が増えており、申告内容修正要求や関税の追徴を求められる場合があるという声が回答企業から上がった。

トラブル発生場所としては、バルト税関(サンクトペテルブルク港を管轄)、シェレメチェボ税関(日本からの航空貨物の主要取り扱い場所のシェレメチェボ空港を管轄)、モスクワ州税関が上位に挙がった(添付資料の図2参照)。ウラジオストク税関は、7%と前回調査に比べ減少した。また、2019年から本格的に設置が進む各税関の電子申告センターへの電子申告集約化に伴い、「税関職員の人員体制の不備などで同センターでの通関処理が遅滞した」「問い合わせ窓口が常に混雑している」という不満の声が上がったが、移行期の一時的なもので改善傾向にあると評価する回答もあった。

過去1年間の通関問題・トラブル事項の解決状況について、解決済みと回答した企業は53%で、残りの半数近くは問題が継続しているなどで解決に至っていない。解決に有効な手法としては「税関と協議」が50%に上る一方、「税関からの申告内容の修正要求を覆すことは困難」という声もあり、説明や追加書類の準備に苦労している企業は多い。

(注)通関問題に関するアンケートの実施は、今回で6回目。ジェトロとモスクワ・ジャパンクラブ商工部会通関委員会がサンクトペテルブルク日本商工会の協力を得て、2019年6~7月に、在ロシア日系企業を対象に実施し、63社(製造業12社、非製造業51社)から回答を得た。前回の調査結果については2019年1月23日付地域・分析レポートを参照。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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