黒龍江省にも自由貿易試験区、ロシアなどとの協力強化を目指す

(中国)

大連発

2019年09月10日

中国国務院は8月26日、黒龍江省を含む6つの省・自治区に自由貿易試験区(以下、自貿区)を設立すると発表した(2019年8月28日記事参照)。中国(黒龍江)自由貿易試験区(以下、黒龍江自貿区)は、東北地域では中国(遼寧)自貿区に次いで2番目となる自貿区で、ロシアとの国境地域などに設立された。

黒龍江自貿区はハルビン、黒河、綏芬河(綏芬河総合保税区の1.8平方キロを含む)の3つのエリアから構成される。総面積は119.85平方キロで、各エリアの機能や目標は表1のとおり。

表1 各エリアの重点領域および目標

黒龍江自貿区は今後3~5年をかけ、優れたビジネス環境、利便化された貿易・投資環境、先端産業の集積、サービス体系などが完備された質の高い自貿区となることを目指す。中でも重要任務の1つとして、ロシアおよび北東アジアとの協力の強化を挙げている(表2参照)。ハルビンエリアではハルビン国際航空ハブの建設、綏芬河エリアでは鉄道危険化学品対応窓口の設立などの取り組みが計画されている。

表2 黒龍江自貿区の重要任務および具体的な措置

黒龍江省の2019年上半期のロシアとの貿易総額は、前年同期比20.3%増の642億7,000万元(約9,640億5,000万円、1元=約15円)と、2桁の伸びとなった(2019年8月16日記事参照)。

同省の程志明副省長は黒龍江自貿区について、「各エリアの機能が明確に区分され、エリアごとに発展の重点領域を持つ。中国の北方に向けた対外開放の重要な窓口となり、今後の辺境地域のさらなる開発・開放のため、他地域への導入や普及が可能な新たなモデルやノウハウを提供する」と述べた。

(李穎)

(中国)

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