7月のインフレ率、前月比2.2%と逓減傾向

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年08月21日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は8月15日、7月の月間インフレ率(CPI上昇率)は2.2%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。年率(過去12カ月の累積)でも54.4%となり、引き続き漸減している(図参照)。

図 インフレ率の推移(2018年7月~2019年7月)

月間インフレ率を項目別にみると、上昇率が最も高いのは医療・健康(4.1%)で、娯楽・文化(3.9%)、外食・ホテル(3.0%)と続いた(表参照)。7月の特徴は、1.0%を下回った項目が酒類・たばこ(0.9%)、衣類・靴類(0.3%)、通信(0.2%)と複数に及んだことだ。2019年に入ってから1.0%を切った項目は、1月に記録した衣類・靴類(マイナス0.6%)と教育(0.6%)だけで、そのことからも、2019年はインフレ基調だったことが確認できる。

表 7月の産業別インフレ率

中央銀行が8月2日に発表した民間エコノミストらによる最新の経済見通しの集計中央値(REM)では、8月のインフレ率は2.4%とされ、その後も2.1%から2.4%に推移することで、2019年末の見通しは40.0%となっていた(2019年8月9日記事参照)。しかし、8月11日に行われた大統領選挙の予備選挙でマクリ大統領が大敗したことから、通貨アルゼンチン・ペソの下落、主要株式指数メルバルの急落など、国内市場が混乱しており(2019年8月13日記事参照)、8月以降のインフレ率を含めた経済指標の悪化が見込まれる。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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