サンクトペテルブルク市長選挙、4人の候補も現職有利の観測
(ロシア)
サンクトペテルブルク発
2019年07月05日
9月8日に実施予定のサンクトペテルブルク市長選挙の候補者がおおよそ出そろい、合計4人が正式な候補者として認定される見通しだ。市長代行を務める現職のアレクサンドル・ベグロフ氏が有利と目される。
サンクトペテルブルク市長への立候補申請を行ったのは28人。そのうち、必要書類を提出できたのが11人、さらにその中から、正式な候補者としての認定に必要な代議員の署名を集めたのは4人(表参照)。今後、選挙管理委員会による署名の確認作業を経て、問題がなければその4人が正式な候補者として認められる見込みだ。
世論調査では、現職で市長代行を務めているアレクサンドル・ベグロフ氏がリードしている。全ロシア世論調査センター(VCIOM)によると、有権者のうち53%がベグロフ氏に投票する意向を示している。次いで17%がロシア共産党のウラジミル・ボルトコ氏、7%を占めたのがリベラル派政党「ヤブロコ」に所属していたミハイル・アモソフ氏、および中道左派政党「公正ロシア」のナデージダ・チホノワ氏。残りの16%は態度を保留している。
有利と目されるベグロフ氏は、政党色を薄める選挙戦を展開している。同氏は2018年10月のゲオルギー・ポルタフチェンコ前市長の辞任に伴い、プーチン大統領の任命を受けて市長代行に就任した(2018年10月12日記事参照)。そうした経緯から、同氏は実質的には政権与党「統一ロシア」の支援を受けるとみられるが、今回の市長選挙には同党の推薦を受けずに立候補する。この背景には、2018年9月以降に実施された地方選挙で「統一ロシア」から出た候補者が苦戦する事態が続いたこと(2018年11月15日記事参照)から、本市長選では「統一ロシア」としてのカラーを抑える意向があるとみられている。
強力な対立候補が現れずベグロフ氏の再選が有力視される中、建設的な政策論争が行われているとは言い難く、市民からの関心が総じて低いのが現状だ。
(一瀬友太)
(ロシア)
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