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G20首脳宣言を採択、デジタル経済ルール作りで「大阪トラック」立ち上げ

(世界)

国際経済課

2019年07月01日

G20首脳会議(サミット)が6月28、29日、大阪市で開かれた。日本(安倍晋三首相)が議長を務め、ドナルド・トランプ米国大統領、習近平中国国家主席ら各国・地域の首脳のほか、ロベルト・アゼベドWTO事務局長らが参加。「世界経済、貿易・投資」「イノベーション〔デジタル経済・人工知能(AI)」「気候変動・環境・エネルギー」などをテーマに議論した。

採択されたG20大阪首脳宣言PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、「反保護主義」の文言は入らなかったものの、「自由、公平、無差別で透明性があり予測可能な安定した貿易および投資環境を実現し、われわれの市場を開放的に保つよう努力する」ことが明記された。また、「国際的な貿易および投資は、成長、生産性、イノベーション、雇用創出および開発の重要な牽引力だ」とした上で、多国間貿易体制の要諦となるWTOについて、「機能を改善するため、必要なWTO改革への支持」を再確認した。

WTO機能の中でも特に課題とされているのが、紛争解決制度における、上級委員の選定問題だ(注)。G20各国経済団体トップや関係国際機関などの幹部の参加を得たB20(Business 20)は3月、東京サミット共同提言を発出し、「G20に対し、上級委員会の委員選出プロセスでの手詰まり状態を可能な限り早急に解決するよう強く要望する」と明記していた。アゼベドWTO事務局長は首脳会議の期間中、予測可能な貿易および投資の実現に関し、G20の首脳から強力な支持を受けたことに言及した。その上で、危機的状況にある紛争解決機能について、首脳宣言で「行動が必要」と述べられたことが重要だという認識を示した。

環境については、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されたほか、「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」への支持も確認された(2019年6月18日記事参照)。

6月28日には、「デジタル経済に関する首脳特別イベント」が開催され、「デジタル経済に関する大阪宣言」が発出された。この中で、「大阪トラック」の立ち上げを表明した。現在WTOにおいて進められている電子商取引に関するルール作りに参加する78カ国・地域と共に今後、デジタル経済、特にデータ流通や電子商取引に関する国際的なルール作りを進めていく(2019年6月10日記事参照)。2020年6月の第12回WTO閣僚会議までの交渉において、実質的な進捗の達成が目指されている。

(注)上級委員会はいわば、二審制の上級審。7人で構成される上級委員は、米国の反対により、任期切れで退任した後任の選定プロセスが開始されておらず、現在3人にまで減っている。そのうち、さらに2人が12月に任期を迎える。上級委の構成人数の減少は、ただちに紛争解決機能の停止を意味しないものの、小委員会(パネル、いわゆる第一審)で決着がつかなかった場合は、案件が宙に浮いてしまうなど、紛争解決機能が停止に陥るリスクがある。

(朝倉啓介)

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