海洋プラごみ削減に合意、G20エネルギー・環境相会合

(世界、日本)

国際経済課

2019年06月18日

G20は6月15日から16日にかけて長野県軽井沢町で、持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合(G20エネルギー・環境相会合)を開催し、海洋プラスチックごみ削減に向けた国際的枠組みの創設などを盛り込んだ共同声明を採択した。

同会合は、G20として初めてエネルギー相と環境相が一堂に会し、気候変動やエネルギー転換、海洋プラスチックごみについて議論を行った。会合の成果の1つとして、各国が海洋プラスチックごみの削減に向けた行動計画の進捗状況を、定期的に報告・共有する「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」に合意した。具体的な数値目標は設定していないが、状況を相互に確認する枠組みをつくることで、実効性を高める狙いがある。

プラスチックごみ(以下、廃プラ)をめぐっては、海洋汚染に限らず、人体への悪影響の懸念から、各国が相次いで輸入制限を導入している(地域・分析レポート特集「どうする?世界のプラスチック」参照)。5月10日には、バーゼル条約の改正案が採択され、リサイクルに適さない汚れた廃プラが同条約の規制対象となった(2019年5月21日記事参照)。

このほか同会合では、世耕弘成経済産業相が日本国内における取り組みとして、早ければ2020年4月にレジ袋有料化を義務付けるとの方針を示した。レジ袋の有料化は、2019年5月31日に策定された「プラスチック資源循環戦略」にも含まれており、廃プラ排出量の削減を目的としている。国連環境計画によれば、2015年に排出された廃プラのうち、レジ袋などの包装用使い捨てプラスチックの割合は36%と高く、各国・地域でレジ袋の使用を禁止するなど対策が取られている(「急速に広がるルール作り」各国のプラスチック製品への対応」参照)。

(柏瀬あすか)

(世界、日本)

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