ラマポーザ大統領、就任演説で雇用対策強化を強調

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年05月29日

南アフリカ共和国の首都プレトリアで5月25日、シリル・ラマポーザ大統領の就任式が行われた。ラマポーザ大統領は就任演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、3万人を超える聴衆を前に若年層の教育、人材育成、雇用対策の強化を表明し、人種を超えた団結の必要性を呼び掛けた。また、2月に南ア政府が設立合意に批准したアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA、2019年5月14日記事参照)の文脈に沿い、アフリカ諸国の繁栄のためにケープタウンからカイロまでを結ぶ自由貿易圏の構築を前進させる、と強調した。

南アでは5月8日に国民総選挙が実施され、与党、アフリカ民族会議(ANC)が過半数の議席を維持した(2019年5月14日記事参照)。その後、5月22日に開催された通常国会の初日にラマポーザ大統領の再任が承認され、今回の就任式に至った。任期は、実質的に次期下院選挙が行われる2024年までの5年間となる。

ラマポーザ大統領による新内閣人事の発表にも注目が集まっている(2019年5月17日記事参照)。特に、ラマポーザ大統領が以前から公言していた閣僚ポスト削減に踏み切るか、またかねてラマポーザ氏との対立がうわさされるデイビッド・マブーザ氏を副大統領職に再任させるか否かが焦点となっている。当初、新内閣は5月27日に発表される予定だったが、大統領府は5月26日に、延期を発表した。憲法上、大統領の承認(5月22日)から5営業日以内に大統領が組閣を発表することが義務付けられていることから、発表は5月28日か29日となる見込みだ。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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