タイ総選挙、選挙管理委員会が結果を正式発表

(タイ)

バンコク発

2019年05月10日

タイ選挙管理委員会は5月8日、比例代表による各党の獲得議席数(150議席)を公表した。3月24日に実施された下院総選挙(定数500)の結果に関し、選挙管理委員会は3月28日に各党の獲得票数を公表していたものの、獲得議席数については公表をしておらず、5月9日までに公表するとしていた(2019年3月26日記事参照)。これにより、5月7日に公表された小選挙区の結果と併せて、公式の選挙結果が出そろったことになる(注1)。

選挙管理委員会の公表によれば、主要政党の獲得議席数は、タイ貢献党が136議席、次いで、国民国家の力党が115議席、新未来党80議席、民主党52議席、タイ誇り党が51議席となった(表参照)。今回の総選挙結果では、プラユット首相続投を支持する国民国家の力党が主導する軍政派と、タイ貢献党が主導する反軍政派のどちらが下院の多数派を形成するかが焦点となっていたが、反軍政派が245議席と過半数を獲得できなかったことから、大方では軍政派が過半数を獲得するものとみられる(注2)。

表 下院議員選挙の結果(5/8時点)

今後の予定としては、5月中に議会が招集され、6月には新政権が誕生する見込みだ。

(注1)今回公表された選挙結果は、あくまで開票率95%時点のもので、今後、一部変更される可能性は残されている。また、チェンマイ第8選挙区で当選した候補者が選挙違反により当選を取り消されたことから後日、再選挙が実施される予定で、その影響のため小選挙区と比例区それぞれの1議席が現時点で未確定となっている。

(注2)現地の報道によれば、3月27日に行われた反軍政派の合同記者会見(2019年4月8日記事参照)に参加していない政党は、おおむね軍政派支持に回るとみられている。

(阿部桂三)

(タイ)

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