ゼレンスキー氏が大統領に就任、高い支持率を背景に議会選に突入へ

(ウクライナ)

欧州ロシアCIS課

2019年05月21日

ウクライナで4月21日に行われた大統領選挙の決選投票で、現職を破り当選したボロディミル・ゼレンスキー氏が5月20日、第6代目となるウクライナ大統領に就任した(2019年4月22日記事参照)。任期は2024年までの5年。

議会で行われた就任演説において、対ロシア関係ではウクライナの捕虜の解放を交渉の第1ステップとすることを表明し、ウクライナ東部での軍隊の待遇改善を約束した。経済分野では、税金や賃金、年金、物価、失業、健康保険制度、医療体制、道路舗装などインフラ整備の各分野で問題が山積しているとして、改善に向けた強い意欲を示した。演説の最後には、ウクライナ保安庁長官、検事総長、国防相の罷免を議会に対して求めたほか、ウクライナ議会の解散を宣言した。

ゼレンスキー大統領は演説で、「国民は28年間続いた、賄賂と国民の財産をかすめ取ることを許してきた政治体制にうんざりしている」と述べ、既存の議会・政府勢力との対決姿勢を引き続き明確にした。現在の第8期のウクライナ最高議会の会期は2019年11月27日までで、議会選挙は10月27日に予定されていたが、今回、ゼレンスキー氏が解散を宣言したことから、60日以内に臨時議会選挙が実施される。今回の解散の目的について、複数のメディアは、大統領戦の勢いを最大限に利用して、前大統領のポロシェンコ氏を支持する政党ブロックが過半数を占める現在の議会構成を変えることと報じている。今後、各政党は選挙戦の中で、ゼレンスキー氏との距離感を判断することになる。

ゼレンスキー大統領の就任を受け、ボロディミル・フロイスマン首相は5月20日に辞任を発表し、3年間の経済発展の実績と関係者への謝意を述べている。

ゼレンスキー大統領の政策チームのメンバーで、国際関係、財政・金融(銀行)政策を担当する前財務相のオレクサンドル・ダニリュク氏は5月13日にメディアのインタビューに答え、ゼレンスキー大統領就任後の「100日計画」を準備していると述べた。第1の重点に汚職対策、第2には司法制度改革、第3に治安機関改革(税務警察の実質廃止など)を挙げたほか、大統領府の機能改編や将来的な移転、政府人事の刷新や権限の見直しなどについて言及した(注)。また、議会勢力との関係については、大統領は安易な妥協の道を取るべきではなく、大統領選の高い得票率を背景に、各政党に対し新大統領の勢力に加わるよう圧力をかけるべきとの判断を示していた(ボータルサイト「リガ・ネット」5月13日)。

(注)ゼレンスキー氏の選挙公約については、2019年4月1日記事参照のこと。

(高橋淳)

(ウクライナ)

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