ウクライナ大統領選、既存勢力・政府批判のゼレンスキー氏が首位

(ウクライナ)

欧州ロシアCIS課

2019年04月01日

ウクライナ大統領選挙が3月31日に実施された。中央選挙管理委員会が発表した4月1日午前11時(日本時間)現在の開票速報によると、開票率30.52%で、新人のブラジミル・ゼレンスキー氏が30.18%の得票率でトップとなった。2位は現職大統領のペトロ・ポロシェンコ氏で得票率は16.65%、3位は13.22%で元首相のユリア・ティモシェンコ氏となった。候補者が過半数の票を獲得できない場合は、3週間後の4月21日に上位2人による決選投票が実施される。現地報道によると、ウクライナ東部・南部で特にゼレンスキー氏支持が高く、西部でポロシェンコ氏の支持が伸び悩んだもようだ(RBKウクライナ、4月1日)。

ゼレンスキー氏は政治経験がないことから、ソ連崩壊を受けたウクライナの独立から28年間変わらない同国の状況を批判することで、既得権益層や「職業政府(注)」との決別を国民にアピールしている(同氏の選挙公約は表のとおり)。4月21日にゼレンスキー氏とポロシェンコ氏で決選投票が行われる場合、ティモシェンコ氏ら他の候補者との選挙協力の実現可否がポイントとなる。

表 ゼレンスキー氏が掲げる選挙公約

(注)国民の生活向上を一義的に考えない政府、という意味が含まれている。

(高橋淳)

(ウクライナ)

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