アリゾナ州ノガレス検問所の商業レーンは毎週日曜日の営業を停止

(米国、メキシコ)

ロサンゼルス発

2019年04月08日

米国税関国境保護局(CBP)は4月7日から、アリゾナ州ノガレス検問所の商業レーンの毎週日曜日の営業を停止した。CBPは3月29日に、3月31日を最後に同検問所の商業レーンの日曜営業を停止する旨を発表していた。CBPはテキサス州エルパソ商業レーンの毎週土曜日の停止も既に発表しており(2019年4月4日記事参照)、米国とメキシコ間の国境検問所24カ所のうち2カ所での部分的な営業停止となる。米国南部の国境では、移民や輸入貨物が急増している状況が続いており、南国境地域でCBP職員を増員するための対応策とみられる。

現在でも、トラックによる輸入貨物の通関には時間を要しており、4月5日の午後3時時点で商業レーンの通過に、ノガレス検問所では45分、カルフォルニア州オタイメサ検問所では240分、エルパソ検問所では330分の遅延が出ている。

国境閉鎖には1年の猶予

トランプ大統領は3月29日に、「メキシコが米国へ向かう不法移民を直ちに止めない場合、翌週にも国境を閉鎖する」と述べていたが(2019年4月4日記事参照)ナショナル・パブリック・ラジオ(電子版4月4日)によると、メキシコとの国境閉鎖に対し「1年間猶予する」と述べた。ただし、メキシコ政府による米国への移民流入や違法薬物の持ち込みへの対応が1年たっても取られない場合、国境閉鎖を実行するか、もしくはメキシコから輸入する自動車へ追加関税を賦課するという。

メキシコへは日産、ホンダ、トヨタ、マツダなど自動車産業を中心に、2017年時点で1,182社(外務省海外在留邦人数調査統計)の日本企業が進出している。自動車部品メーカーの進出が活発化した2012年と比較すると2倍以上になっており、日本企業への影響も懸念される。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国、メキシコ)

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