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EU、企業に「ブレグジット・ガイド」に基づく準備を勧奨

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年04月01日

欧州委員会の税制・関税同盟総局(DG TAXUD)は3月29日、英国議会(下院)での英国のEU離脱(ブレグジット)協定案否決を受けて、「4月13日午前0時(中央ヨーロッパ時間)に英国との合意のない離脱(ノー・ディール)となるシナリオの可能性が高まった」とツイッターに投稿、同総局作成のガイドに基づいて通関対応などの準備を始めるよう、企業に呼び掛け始めた。

第三国となった英国を想定し、急ぎ準備を

欧州委は既にノー・ディールを想定し、ブレグジットに向けた緊急対策に関わる準備通告を各分野の所管総局ごとにまとめて特設ページで公表、3月25日には「準備完了」(2019年3月26日記事参照)を宣言している。しかし、税制・関税同盟総局が所管する「通関手続き」「関税賦課」などについては、4月13日午前0時(中央ヨーロッパ時間)をもってEUは英国をEU域外の第三国と見なすため、直ちにWTOルールに基づく一般貿易条件の適用を開始するものと現時点では想定されている。

同総局は「企業向け通関ガイド~いかにブレグジットに備えるか外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」と題する対策ガイド(2019年2月19日記事参照)を、英語を含むEU24カ国の言語で用意し、対応が遅れている企業に注意喚起している。総局はブレグジット以降、英国からEU27カ国に輸入される貨物との関連で、以下の点について特に注意を促している。

  • 通関手続き・関税賦課が開始され、EUの通関当局から関税相当の保証金預託を求められる場合があり得ること
  • 特定物品は禁止や制限の対象となり、輸出・輸入許可(ライセンス)の取得が求められる場合があり得ること
  • 英国政府発行の輸出・輸入許可(ライセンス)がEU27カ国で失効すること
  • 英国政府による認可事業者(AEO)に対する許可がEU27カ国で無効となること
  • EU加盟国による輸入時の付加価値税(VAT)徴収が開始されること(英国への輸出品についてはEU側でのVAT徴収は行わない)
  • VAT申告・支払いや還付の実務ルールが変更されること
  • EU27カ国から英国への輸出時にEU側での輸出申告が必要となること、など

税制・関税同盟総局は、ノー・ディールの場合、4月13日午前0時(中央ヨーロッパ時間)以降、英国がEUの通関情報を含む電子情報システムの共有対象から外れる点についても、注意を呼び掛けている。同総局の見解では、離脱日以前に輸出手続き(輸送)が始まった貨物取引であっても、ブレグジット以降は英国にはEUの電子情報システムを提供しないとしており、さまざまなサプライチェーンを想定した準備が必要となる。同総局では、(1)EU27または英国を原産地とする貨物を想定した事例分析PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、(2)EU27または英国を中継地とする貨物について、さまざまな「原産地」「中継・経由国」「最終仕向け国」を想定した事例分析PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を行い、ブレグジット前後のどの段階で、どのような手続きが必要となるか、分かりやすく図解している。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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