第1四半期GDP成長率は前年同期比1.3%、製造業がマイナス成長

(シンガポール)

シンガポール発

2019年04月18日

貿易産業省(MTI)は4月12日、シンガポールの2019年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(速報値、注)は前年同期比1.3%と発表した(表参照)。2018年第4四半期(10~12月)の1.9%から鈍化した。前期比年率(季節調整済み)では2.0%と、2018年第4四半期の1.4%を上回った。

表 シンガポールの実質GDP成長率の推移

産業別にみると、製造業はマイナス1.9%と、2018年第4四半期の5.1%からマイナス成長に転じた。精密エンジニアリングとエレクトロニクスの両部門における生産量の減少が響いた。

一方で、建設は1.4%と、10四半期連続のマイナス成長から一転、プラスとなった。これは、民間建設受注の回復が要因だ。サービス業は、情報・通信、ビジネスサービス部門の成長により、2.1%と堅調に推移した。

金融引き締めを維持、インフレ予測を下方修正

通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)は同日発表の為替管理対策の見直しで、これまでの金融引き締め策を維持すると発表した。また、MASは現行のシンガポール・ドル(Sドル)の名目為替実行レート(NEER)の誘導目標帯(許容変動幅)の傾斜幅および中央値に変更はないと発表した(2018年4月17日記事2018年10月16日記事参照)。

MASは2019年の通年の住居関連費と民間輸送費を除いたコアインフレ予測を1.0~2.0%と、これまでの1.5~2.5%から下方修正した。一般消費者向けの電力小売市場の自由化で、電力料金が当初の予想よりも下落する見込みとなったことを受けたものだが、今後のコアインフレ率について、短期的には緩やかに上昇し、その後2%以下で安定すると予想している。消費者物価総合指数については0.5~1.5と変更がなかった。

(注)1~2月の統計に基づく速報値。

(安野亮太)

(シンガポール)

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