国際北極圏フォーラム開催地、サンクトペテルブルクに変更

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2019年02月01日

4月9~10日に開かれる国際北極圏フォーラムの開催地について、当初予定のアルハンゲリスクではなく、サンクトペテルブルクに変更することを同フォーラム組織委員会が1月17日に決定した。フォーラムは北極圏地域の課題や発展を議論する枠組みとして、2010年からこれまでに4回開催された。前回は2017年3月にアルハンゲリスクで開催され2,400人が参加した。

2019年のフォーラム開催地をサンクトペテルブルクに変更した理由について、組織委員会は、参加登録者が増大し、イベント会場やホテルなどのインフラがアルハンゲリスクでは追い付かなくなったためとしている。サンクトペテルブルクは国際経済フォーラム(2018年6月4日記事6月26日記事参照)をはじめとした国際会議の開催実績を有し、充分なインフラが整っている。他方、「北極圏発展問題に関する政府委員会」の委員長を務めるユーリ・トルトネフ副首相は1月17日の組織委員会会合で「アルハンゲリスクは北極圏最大の都市の1つであり、フォーラムの受け入れ態勢を含め、都市開発は引き続き重要な課題だ」と述べた。

今回の決定に関し、サンクトペテルブルク市のアレクサンドル・ベグロフ市長代行は「高い水準でフォーラムの準備ができている」とコメントしている(極東発展省プレスリリース1月17日)。また、地元ビジネス紙「実業ペテルブルク」(1月23日)は、フォーラムの開催はサンクトペテルブルクにとって北極圏開発における学術・産業分野でのポテンシャルをアピールする機会だと評する。

フォーラムの公式サイトによると、2017年に続き2019年のフォーラムもプーチン大統領が出席予定であるほか、現在12カ国が参加を決定している。地元日本政府関係者はジェトロのインタビューに対し、フォーラムへの日本としての参加は検討中だと回答した。

(一瀬友太)

(ロシア)

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