北極圏開発、極東発展省が所掌へ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年01月21日

ドミトリー・メドベージェフ首相は1月18日、プーチン大統領と会談し、連邦政府が積極的に進めている北極圏開発について、今後は極東発展省に主管させる提案をし、了承を得た。北極圏開発の対象地域の東部は、ロシア極東の連邦構成体であるサハ共和国(ヤクーチヤ)、チュコト自治区で、北極圏とロシア極東が地域的に重複する部分があること、行政や財政支出の効率化の必要性などの理由から、北極圏開発を担う単独省庁の新設はせず、既存の極東発展省が所掌する方向性となった。今後、極東発展省の名称が極東発展・北極問題省などに変更されることも想定されている。

ロシア極東発展省は2012年5月に発足。当初、極東発展相はロシア極東連邦管区大統領全権代表を兼務していたが、2013年から両ポストは個別に任命されている(2013年9月3日記事参照)。北極圏開発に関しては、2018年12月11日にユーリ・トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表が、「北極圏発展問題に関する政府委員会」の再編に際して委員長(議長)に任命されている(2018年12月12日記事参照)。また、同日にサベッタ(ヤマロ・ネネツ自治管区)で開催された政府会合の議論を受けた政府指示(12月19日付)では、極東発展省に対する指示として「北極圏で実現される新事業のための優遇制度創設に向けた提案」が含まれるなど(2018年12月26日記事参照)、北極圏開発政策における同省の役割が拡大しつつあった。

(高橋淳)

(ロシア)

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