2018年のGDP成長率は7.3%、前年の伸びを上回る

(タジキスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年01月25日

タジキスタンのコヒル・ラスルゾダ首相は1月21日、拡大政府会合で2018年の経済成長実績を報告した。同国の2018年のGDPは688億ソモニ(約8,256億円、1ソモニ=約12円)で、GDP成長率は前年比7.3%となった。分野別では、工業生産が11.8%増、農業生産が4%増、固定資本投資が7.8%増、卸・小売りが15.4%増、サービスが2.1%増だった。通年のインフレ率は5.4%で、政府が想定する範囲に収まった。

世界銀行はタジキスタンの2018年の経済成長率を2017年の7.1%より下回る6.0%と推計していたが(2019年1月9日記事参照)、政府発表はこれを大きく上回った。世界銀行は最新の国別レポート(2019年1月改定)の中で、タジキスタンの短・中期的経済見通しについて、ロシア経済のプラス成長、主力輸出製品のアルミニウム・綿花の価格上昇傾向、近隣諸国との協力関係推進など好ましい外部環境、(ロシアへの)出稼ぎ労働者からの海外送金の伸びや旺盛な消費などにより、6.0%前後の経済成長率が継続すると予想している。一方で、2018年11月に稼働したログン水力発電ダムの追加建設費への財政負担が重くのしかかり(2018年11月19日記事参照)、力強い経済成長にもかかわらず、国の財政は公的債務による高いストレスにさらされ続けると分析している。

対外貿易関係では、近隣のCIS諸国との貿易が好調で、CIS諸国との貿易額は前年比12.5%増の23億ドルとなった。伸び率では、ウズベキスタンとの貿易額が2.3倍、アゼルバイジャンが2.4倍、キルギスが27.7%増と拡大した。最大の貿易相手はロシア(12億3,000万ドル)で、2位はカザフスタン(8億3,650万ドル)だった。タジキスタン統計庁のデータとして、プレスが報じている(アベスタ通信社1月21日)。

(高橋淳)

(タジキスタン)

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