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地域最大規模のログン水力発電所が稼働

(タジキスタン、中央アジア)

欧州ロシアCIS課

2018年11月19日

11月16日、中央アジアで地域最大級となるログン水力発電所1号機の運転が開始された。電力不足に悩まされてきたタジキスタンにとってインフラ改善に向けた一歩となる一方で、多大な建設費用が重荷になるとの見方も出ている。

ログン水力発電所はタジキスタンの首都ドゥシャンベから東方110キロに位置し、発電能力は3,600メガワット(MW)。堤防の高さは世界最大の335メートル、貯水容量は7,200万立方メートルで、中央アジア地域で最大級の水力発電所となる。各600MWの発電機6基を2026年12月までに順次設置予定で、今回の1号機に続き2号機の稼働を2019年3月に予定する。同ダムはソ連時代の1987年から建設工事が開始され、1990年代の内戦などによる工事中断を経て、2007年から工事が再開された。2016年からはイタリア企業が工事を担当。ダムが所在するバフシ川下流のウズベキスタンが水利への影響などを理由に建設に反対したため、稼働開始が不透明となっていたが、2016年12月に就任したウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が建設反対を撤回し、稼働開始に至っている。

タジキスタンでは電力分野の整備が遅れており、度重なる停電などが経済発展や投資を停滞させているとの指摘がなされていた。同ダムの建設を支援した世界銀行のシリル・ミュラー副総裁(欧州・中央アジア担当)は稼働式典に出席し、「ログンダムはタジキスタンの電力輸出の重要なリソースとなり、人的資本への投資の重要な財源となり得る」と述べ、電力状況の改善が経済に好影響を与えることに期待を示した。

一方で総額40億ドルと試算される建設費の償還を危惧する見方もある。高等経済学院(BSE)欧州・国際複合研究所(モスクワ)のアナスタシア・リハチョワ副所長は、タジキスタン政府が建設費の一部として2017年に発行した5億ドルの債務の償還期間が10年(2028年まで)であること、完工に向けた債務償還には同水力発電所から電力を輸出し(自ら)外貨を獲得する必要があるが、輸出先として想定されるアフガニスタン、パキスタンを結ぶ送電網が完成していないこと、安定送電に向けた両国での治安確保や外貨支払い能力に疑問が残ることを指摘。引き続き同ダムが財政に負担をかける可能性を指摘している(トレンド通信11月15日)。

(高橋淳)

(タジキスタン、中央アジア)

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