極東で新車販売が高い伸び

(ロシア)

モスクワ発

2018年12月26日

自動車専門調査会社アフトスタトによると、2018年1~10月のロシアの乗用車新車販売台数は前年同期比13.2%増の130万8,200台となった。全ての連邦管区で前年同期比増を記録したが、中でも極東連邦管区(注)の伸び率が最も高く、前年同期比27.1%増だった。この背景には、政府の乗用車購入促進策である「エントリー・カー」「ファミリー・カー」プログラムの補助率が、他の連邦管区と比べて極東が高いことがある(2018年8月1日記事参照)。

別の自動車専門調査会社アフトスタト・インフォによると、同時期の極東の乗用車新車販売台数は1万3,392台だった。車種別販売台数の上位5位は、トヨタ「RAV4」(939台)、現代「クレタ」(932台)、トヨタ「ランドクルーザー」(861台)、ワズ「パトリオット」(711台)、トヨタ「ランドクルーザー200」(522台)と、いずれもスポーツ用多目的車(SUV)が並んだ。

アフトスタトによると、極東連邦管区以外の伸び率は、ウラル連邦管区(22.5%)、シベリア連邦管区(19.6%)、北西連邦管区(14.3%)、中央連邦管区(13.0%)、南連邦管区(11.9%)、ボルガ連邦管区(8.7%)、北コーカサス連邦管区(7.9%)だった。

一方、2018年1~10月の中古車販売市場の伸びは、前年同期比2.7%増(449万台)と鈍かった。日本車が多い極東連邦管区では4.3%増(23万6,800台)となり、新車販売台数の伸び率と比べると6分の1だった。

極東以外の2018年1~10月中古車販売台数は、北コーカサス連邦管区が最も高い伸びを示し、7.4%増だった。そのほか、沿ボルガ(3.1%増)、シベリア(2.9%増)、南(2.6%増)、北西(1.6%増)、中央(0.9%増)となった。

(注)11月にシベリア連邦管区から、極東連邦管区に編入されたザバイカル地方とブリヤート共和国は(2018年11月5日記事参照)、本記事では極東連邦管区に入らず、シベリア連邦管区に含まれる。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア)

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