11月1日から工業品など1,585品目の輸入関税引き下げ

(中国)

中国北アジア課

2018年10月02日

国務院常務会議が9月26日に開催され、工業品を中心とする1,585品目の輸入関税率の引き下げを11月1日から実施することを決定した。米中貿易摩擦が拡大する中、中国国内の関連企業のコストを削減するほか、国民の多様な消費ニーズに応える狙いがある。

具体的には、(1)紡織品や建材、卑金属製品、鋼材など677品目の平均輸入関税率が11.5%から8.4%に、(2)紡織や金属加工、農業分野をはじめとする関連機械設備および部分品など396品目が12.2%から8.8%に、(3)非金属鉱物や無機化学品、木材および紙製品など390品目が6.6%から5.4%に、(4)貿易の利便化のため、類似製品にもかかわらず関税率の異なる122品目が関税率の整理・統合で12.3%から8.5%に、それぞれ引き下げられる。対象の1,585品目の平均輸入関税率は、2017年の10.5%から7.8%まで引き下げられる。なお、対象品目と関税率の詳細外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは財政部ウェブサイトで確認できる。

習近平国家主席は4月10日、海南省で開催されたボアオ・アジアフォーラムで講演し、対外開放を拡大するため、主体的な輸入拡大の方針を示していた(2018年4月12日記事参照)。こうした中、5月1日からは抗がん剤などの医薬品が、7月1日からは自動車(完成車)および自動車部品、日用品などの輸入関税率が引き下げられていた(2018年5月24日記事6月1日記事参照)。今回の措置により、中国の平均輸入関税率は2017年の9.8%から7.5%まで引き下げられる。

(清水絵里子)

(中国)

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