232条の製品別適用除外制度、反論・再反論のプロセス追加

(米国)

ニューヨーク発

2018年09月12日

商務省は9月11日、1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品への関税賦課に関する製品別適用除外制度(2018年3月22日記事参照)について、反対意見への反論および再反論のプロセスなどを設ける制度変更を官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で公示した。記載された変更点は同日から実施されている。同制度の内容や運用についてはさまざまな批判の声が上がっていた(2018年5月14日記事参照)。商務省は関係者のコメントや運用実績を踏まえ、変更を行ったとしている。

反対意見への反論および反論に対する再反論も可能に

パブリックコメントで付された反対意見に対して適用除外の申請企業が「反論(Rebuttal)」を行うプロセスが設けられた。さらに、反対意見を付した企業はその反論に対して「再反論(Surrebuttal)」を行うことができるようになった(注1)。反論の期間は、当該案件に対する全ての反対意見がパブリックコメントのサイトに掲載された日から7日間、再反論の期間は全ての反論コメント掲載後7日間とされている。

反対意見の募集が既に終了している案件であっても、反対意見が付された案件で商務省が適用除外の最終決定をまだ出していないものについては、今回の反論・再反論のプロセスが適用される。商務省は該当する案件への反論受け付けを、9月18日までに順次開始していく。

反論・再反論の募集が開始される具体的な日時は、商務省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで案件ごとに告知される。

審査期間を延長、反対意見がない案件は迅速に審査

反論・再反論のプロセスが追加されたことにより、審査に係る期間は「通常90日以内」から「通常106日以内」(注2)に延長された。一方で商務省は、「国内製品の品質や供給量が十分でない」などの適用除外の認定条件を満たしており、反対意見が付されていない案件については迅速に認可を出す方針を示している。

そのほか、反対意見の申請者は鉄鋼・アルミニウム製品を米国で製造している企業に限定された。また、それら企業が反対意見において「適用除外の対象製品を現在製造していないが8週間以内(注3)に製造できる」と主張する場合には、その根拠を示さなければならないとした。さらに、その主張を基に商務省が適用除外を認めなかった製品について、実際に8週間以内に供給がなされなかった場合には、適用除外の申請者がその旨を説明して再度申請を行えば、その事実を考慮した上であらためて審査を行うとしている。

(注1)反論・再反論の具体的な手続きは商務省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。各申請フォームも同ウェブサイト掲載のBISガイドからダウンロードが可能。

(注2)適用除外の申請書では「90営業日(90 business days)」以内とされており、今回も営業日を指す可能性が高い。

(注3)反対意見の提出企業は、適用除外の認定に反対する製品を「直ちに(immediately)」製造できるか否かを反対意見の申請書において示す必要があり、申請書では「直ちに」を「8週間以内」と定義している。

(鈴木敦)

(米国)

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