232条の製品別適用除外制度、機密情報は電子メールで提出可能に

(米国)

ニューヨーク発

2018年09月12日

商務省が9月11日に発表し、同日から実施している鉄鋼・アルミニウム製品への関税賦課に関する製品別適用除外制度の変更(2018年9月12日記事参照)によって、機密情報は電子メールでの提出が可能になった。申請企業は、審査に関係する機密情報がどのような情報か分かるような要約文(または要約が不可能である説明)を公開情報として提出することで、実際の機密情報を電子メールで商務省に提出できる(注)。現行制度では、機密情報である旨を記載して情報を提出することとしていたが、情報流出の懸念から申請に二の足を踏む企業も多かった。

審査基準を明確化

商務省は、適用除外の認定基準の1つである「米国内で十分な品質の製品が製造されていない」という言葉の定義について、適用除外製品と同じ(identical)でなくとも、代替製品(substitute product)として同質(equivalent)の製品が製造されていないことと明確にした。その上で、「代替製品」とはエンドユーザーが事業に必要とする品質(例:産業規格、社内の品質基準)や規制、認証試験の基準を「直ちに(8週間以内)」満たすものと定義付けた。官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、米国でビジネスを行う企業が米軍や米国食品医薬品局(FDA)が求める基準を満たすために鉄鋼製品の適用除外申請をする場合、商務省は審査に際し、これらの基準の要件を考慮するとの例を示した。

そのほか、製造工程が許容する寸法幅が小さい場合において、製品の寸法の最大値と最小値が関税分類表(tariff provision)で定められている範囲に収まる場合には、寸法が異なる製品を1つの申請書で申請可能としている。現行制度では、寸法が異なる製品も1つの申請書で申請できると読める記述と、個別に申請書を出す必要があるとする記述があり、明確化を求める声があった。

数量割当対象国からの輸入を対象にした適用除外制度の設置

数量割当の対象国からの輸入についても、適用除外制度の利用が可能になった。8月29日の大統領宣言(2018年9月5日記事参照)を受けた措置で、適用除外申請書の該当欄に数量割当国からの輸入に関する申請であることを記載する欄が追加される。

(注)商務省は今回新設した反論と再反論のコメント提出時のほか、適用除外申請や反対意見の提出にも機密情報を電子メールで提出可能としているが、電子メールの宛先は反論と再反論に該当するものしか示しておらず、適用除外申請と反対意見の提出時の本制度の利用方法は不明。

(鈴木敦)

(米国)

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