吉林省、上半期のGRP成長率は前年同期比2.5%

(中国)

大連発

2018年08月14日

吉林省統計局の8月3日の発表によると、2018年上半期(1~6月)の域内総生産(GRP)は、前年同期比2.5%増の6,299億700万元(約10兆785億円、1元=約16円)だった(表参照)。東北3省の中では、遼寧省(5.6%増、2018年8月8日記事参照)、黒龍江省(5.5%増、2018年8月13日記事参照)と比べ最も低い成長率となった。産業別では、第一次産業が3.1%増、第二次産業が1.7%増、第三次産業が3.6%増だった。

表 吉林省の2018年上半期(1~6月)主要経済指標

一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額は2.0%増で、前年同期より3.8ポイント低下した。同省の8大重点産業別では、自動車製造業(前年同期比9.3%増)、エネルギー工業(8.9%増)、医薬産業(7.6%増)、紡織工業(3.9%増)が増加した。一方で、食品産業(2.6%減)、冶金(やきん)建材産業(2.9%減)、情報産業(5.0%減)、石油化学工業(5.3%減)が減少した。

その他の指標では、固定資産投資総額(農家を含まない)が前年同期比1.5%減だったほか、貿易総額は3.1%増の653億7,170万元、社会消費品小売総額は5.2%増の3,614億6,400万元となった。

吉林省は2018年通年のGRP成長率の目標を前年比6%以上に設定しているが、上半期の成長率は目標値を3.5ポイント下回った。吉林省政府は上半期の経済動向について、「マクロ経済は安定的に推移しており、安定の中で前進の様態がみられる」としながらも、「成長率低下の影響は看過できない。今後、重点分野への注力と改革の深化、投資誘致の促進などにより質の高い経済発展を促す」と、下半期に向けたさらなる改革の必要性を述べた。

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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