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住宅価格の上昇が各地に波及、供給不足も一因

(オランダ)

アムステルダム発

2018年07月27日

オランダ中央統計局(CBS)の発表によれば、2018年6月の住宅価格指数(新築を除く、2015年=100)は122.5に達し、5月に続き、統計を取り始めた1995年以降の最高値を更新した。オランダの住宅価格は、1990年代後半から2000年代にかけて上昇を続け、住宅価格指数は2008年8月に120.9に達した後、世界経済危機やギリシャ危機などにより低下が続き、2013年には96.4までに下がった(添付資料の図1参照)。そして2014年からは、低金利や経済回復により上昇基調に転じた。

州別・主要都市別にみると、特にアムステルダム市の住宅価格指数が、2014年に前年比5.1%増、2015年に9.7%増、2016年に13.5%増となり、ロッテルダム市、ユトレヒト市、ハーグ市などと比べて突出した伸びを示していた(添付資料の表1、表2参照)。ところが2018年に入り、ハーグ市とロッテルダム市の住宅価格指数の伸びがアムステルダム市を上回っており、また一部の州を除いて、各州で7~11%台の伸びをみせるなど、住宅価格上昇の波はアムステルダムから全国に広がっている。

住宅の平均購入価格をみるとアムステルダム市の住宅価格が依然として突出している。2018年第2四半期の平均購入価格は、アムステルダム市で45万8,941ユーロとなり、全国平均(28万4,639ユーロ)はもちろんのこと、ユトレヒト市(34万3,205ユーロ)、ロッテルダム市(25万3,738ユーロ)をも大きく上回っている。

この住宅価格の上昇により、住宅を初めて購入しようとする若年層などにとって、購入が困難になりつつあるといわれている。住宅価格が急上昇する背景には、低金利や経済回復のほか、住宅の数が不足していることの構造的な要因がある、と指摘されている。2013年の経済危機により、地方自治体による住宅建設プロジェクトが相次いで中止され、供給が追い付いていないことが理由とされる。アムステルダム市などでは、所得の比較的低い層向けに重点を置いた住宅建設を進めることを計画しているが、住宅不足は当面、解消される見込みはない。

また、特にアムステルダム市では、外国人駐在員の増加もあわせ、住宅賃借料が上昇するとともに、一部で物件が不足しつつあるとされている。今後、英国のEU離脱(ブレグジット)に伴い、欧州医薬品庁(EMA)がロンドンからアムステルダムへの移転で、900人のスタッフの移動が予定されており(2017年11月21日記事参照)、さらなる住宅不足が懸念され始めている。

(岡田茂樹)

(オランダ)

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