EU、在英専門機関の移転先を決定-欧州医薬品庁はアムステルダム、欧州銀行監督局はパリへ-

(EU、英国、オランダ、フランス)

ブリュッセル発

2017年11月21日

EUは11月20日、英国のEU離脱(ブレグジット)を前提に、ロンドンに本拠を構えているEU専門機関の移転先を決定した。欧州医薬品庁(EMA)はオランダ・アムステルダム、欧州銀行監督局(EBA)はフランス・パリに移転することになる。欧州委員会は、今回の決定を歓迎する声明を発表し、ブレグジットの「最初の目に見える結果」との認識を示した。

ブレグジットを念頭にEU専門機関の移転先決める

EU一般問題理事会がブリュッセルで11月20日に開催され、現在ロンドンに本拠を構えるEU専門機関の移転先を決定した。EUの医薬品行政を所管する欧州医薬品庁(EMA)はアムステルダム、EUの金融機関を監督する欧州銀行監督局(EBA)はパリに移転することになる。

欧州理事会(EU首脳会議)は6月22日に「英国に本拠を置くEU専門機関の移転手続きに関わる決定」を発表(2017年6月23日記事参照)しており、当該2機関についての受け入れ(ホスト)国選定作業を進めていた。

ブレグジットの「最初の目に見える結果」

欧州委は同日、今回の決定を歓迎する意向を発表し、「当該2機関の移転は英国が決めたブレグジットの『最初の目に見える結果』」との見解を示した。英国がEUを離脱する2019年3月30日以降も業務が断絶することなく、円滑に機能するように準備を進めるとしている。

欧州委は現在、今回の決定を踏まえ、当該2機関移転を実施するための法案の準備を進めている。なお、EMAは約900人、EBAは約200人の職員をそれぞれ抱えている。

(前田篤穂)

(EU、英国、オランダ、フランス)

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