アリババ、タイ政府と連携し中国人のタイ旅行を振興

(中国、タイ)

中国北アジア課

2018年05月01日

中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループは4月19日、タイ政府と観光分野のデジタル・プラットフォーム開発など4つの覚書(MOU)を締結した(2018年4月27日記事参照)。タイ政府観光庁(TAT)と協力し、アリババが運営する旅行専用プラットフォーム「フリギー(Fliggy)」などを活用して中国人のタイ旅行を振興する。

タイは中国人の旅行先トップ

中国~タイ両国を往来する航空便は1日延べ350便就航しており、中国行きの航空便はタイの国際便の27%を占める。2017年、タイを訪れた中国人観光客は980万5,753人で、中国人の海外旅行先としては日本を抑え首位だった(表参照)。2017年の中国人観光客の支出額は15.8%増の5,245億バーツ(約1兆7,800億円、バーツ、1バーツ=約3.4円)で、タイの観光収入の国・地域別で最も多かった。

表 2017年の中国人の海外旅行先ランキング

アリババグループはモバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」を2015年12月からタイに導入しはじめ、コンビニやショッピングモール、免税店、レストラン、カフェ、旅行会社などその数は数万店となっている。中国現地報道によると、タイのスパ「レッツリラックススパ」はアリペイ導入によって来客数が40%伸びた。そのほか、タイ料理レストラン「マンゴーツリー」でも中国人の来店客数が増え、その8割が現金ではなくアリペイで決済するという。タイ政府は2017年8月、「QRコード決裁システム導入に向けた連携」を発表し、電子決済システムの整備を加速させている(2017年12月13日記事参照)。

(清水絵里子)

(中国、タイ)

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