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貿易相手国・地域の多様化と先進的協定を重視-シャンパーニュ国際貿易相が講演-

(カナダ、ASEAN、インド、中国、チリ、メキシコ、コロンビア、ペルー)

トロント発

2017年12月06日

フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ国際貿易相は11月30日、トロント地区商工会議所での講演で対アジアの経済戦略を語った。今後のカナダの目指すべき方向性として、「貿易相手国・地域の多様化」と「先進的な貿易協定の推進」という2つの軸を強調した。

「世界経済の重心は西から東へ」とアジアの重要性訴える

シャンパーニュ国際貿易相は11月30日、トロント地区商工会議所で「カナダとアジアの貿易関係について語る」と題して講演を行った。「アジアは世界の人口の半数以上を占め、GDPのシェアはEUや米国を上回る。世界経済の重心は西から東へ移っている」とアジアの重要性を訴え、アジアとの貿易投資がカナダの長期的な成長には欠かせないとした。

同相は、ASEANは米国の2倍に当たる約6億4,000万人もの市場であり、カナダにとって6位の貿易パートナーと説明した。インドについては、カナダとの貿易額が80億カナダ・ドル(約7,120億円、Cドル、1Cドル=約89円)に上り、人口の65%が35歳以下であることから労働力として、また消費市場としての可能性をカナダにもたらすと指摘した。11月13~17日には同相、ナブディープ・シン・べインズ・イノベーション・科学・経済開発相、マルク・ガルノー運輸相の3閣僚が150社を超える大規模なミッションを率いてインド5都市を訪問したことにも触れ、対インド関係重視の姿勢を強調した。

中国については、米国に次ぐ2位の貿易相手国(2国間の貿易額は900億Cドル)であり、10億人の消費者が今後急速に豊かになり、高品質の製品を求めるようになることで、貿易額は2倍、4倍と拡大するとし、中国市場の大きさを訴えた。

さらに同相は、チリ、コロンビア、ペルー、メキシコで構成される太平洋同盟にも言及した。これは6月の太平洋同盟首脳会合で、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの4カ国と準加盟国入りに向けた交渉開始が決まったことが背景にある(2017年7月19日記事参照)。

先進的で包括的な貿易協定を推進

シャンパーニュ国際貿易相は講演で、貿易相手国としてのアジア重視の姿勢に加えてカナダの貿易協定に関する方針について言及し、女性や少数派(マイノリティー)に裨益(ひえき)するような「先進的(progressive)」「包括的(inclusive/comprehensive)」な内容を貿易協定に含め推進していくことを強調した。同相は、チリとの自由貿易協定(FTA)によって、カナダがG20諸国の中で初めてジェンダーを貿易協定に含めたことや、2016年10月に調印されたEUカナダ包括的経済貿易協定(CETA)で「労働」「環境」「ジェンダー」を規定したことなどを披露した。

同相は、トルドー首相の突然の欠席により首脳会合が直前で見送られる結果となった「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」についてもこの文脈で語り、労働者の権利や環境に関する条件を協定に盛り込むことを提案しているところであり、協定の新たな名称として「包括的および先進的(Comprehensive and Progressive)」を追加することが採用されたと説明(2017年11月16日記事参照)、今後の貿易交渉では全てこの内容を含めるよう働き掛けていくと語った。

対米依存度の高さが課題、市場の多様化にアプローチ

これまでも、対米依存度の高さはカナダの抱える課題であり、各国・地域との自由貿易交渉による輸出市場の多様化が、カナダの生産者・貿易関係者にとって重要な要素となっている。

12月3日からトルドー首相とシャンパーニュ国際貿易相が訪中しており(7日までの予定)、中国との自由貿易協定に向けた取り組みが注目されるところだが、講演の中で同相は「太平洋全体の包括的アプローチ」「チェス盤全体を見なければならない」といった表現を多用し、あくまでも特定の国・地域を優先するのではないという姿勢を示している。質疑応答においても、参加者からの「対ASEAN、中国、CPTPPのうち、どの協定をどの順番で進めていくのか」という質問に対して、同相は「全ての協定を同時に進めている。ただし、交渉の行方を予想するのは困難で、どういった結果になるかは分からない」と答えた。

(江崎江里子)

(カナダ、ASEAN、インド、中国、チリ、メキシコ、コロンビア、ペルー)

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