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上半期の南北交易は大幅増、年間で26億ドル突破の勢い

(韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2015年08月27日

 2014年の韓国と北朝鮮の南北交易は、開城工業団地の操業中断の影響を受けた2013年の2倍に増え、過去最高を記録した。2015年上半期も前年同期比24.7%増の13億576万ドルに達しており、年間では2014年を上回り、26億ドルを突破しそうな勢いだ。

2014年は開城工業団地の正常化で過去最高に>

 1989年に開始された南北交易は2005年に10億ドルの大台を超え、2010年には191,225万ドルと20億ドルの一歩手前まで拡大した(表1参照)。しかし2013年は、南北経済協力の象徴とされる開城工業団地で4月初旬から9月中旬までの5ヵ月余り操業が中断したため、前年比42.4%減の113,585万ドルに急減した(2013年8月27記事9月20記事2014年3月24日記事参照)。

 統一部の月刊「南北交流動向」(201412月号)に記載された2014年の南北交易をみると、2014年は開城工業団地の操業が正常化したことを受けて、搬入(注)が前年比96.1%増の12620万ドル、搬出が2.2倍の113,644万ドル、合計では234,264万ドルとなり、過去最高を記録した。

 

 搬入は繊維類が最も多く、次いで電子・電気機器、生活用品、機械類、化学工業製品の順。搬出も電子・電気機器、繊維類、生活用品、機械類、化学工業製品の順で、搬入と同様の傾向になっている(表2参照)。

<搬出・搬入とも電子・電気機器が好調>

 また、統一部が7月末に発行した「南北交流動向」(20156月号)に掲載された2015年上半期(16月)の南北交易統計によると、搬入が前年同期比29.7%増の69,702万ドル、搬出も19.5%増の6874万ドルに拡大している(表3参照)。

 

 上半期の搬入・搬出を品目別にみると、搬入では農林水産物、鉱産物、化学工業製品、生活用品、鉄鋼・金属製品、電子・電気機器、雑製品でいずれも搬入全体の伸び(29.7%)を上回っている。中でも電子・電気機器は前年同期比70.1%増の29,252万ドルを記録し、このうち電子部品は2倍を超える13,955万ドル、家庭用電子・電気機器が93.9%増の4,994万ドルとなっている。繊維類は3.4%増の24,542万ドルとなり、9割を占める繊維製品は3.2%増の22,473万ドルだった。

 

 一方、搬出では農林水産物や鉱産物、機械類が前年同期比で減少したが、構成比の大きい繊維類(18,193万ドル)と電子・電気機器(24,437万ドル)が増加した。とりわけ電子・電気機器は前年同期比42.6%増を記録したが、電子部品の集積回路が70.4%増の1211万ドル、家庭用電子・電気機器が88.5%増の4,574万ドル、電線が52.8%増の2,269万ドルとなったことが寄与している。繊維類では、6割近くを占める織物が0.6%増の11,238万ドルにとどまったものの、繊維製品は21.5%増の5,181万ドルに増えた。

 南北交易は、20103月に発生した韓国海軍の哨戒艦「天安号」沈没事件を受けて韓国政府が実施した「5.24措置」により、開城工業団地以外での交流が原則禁止されているにもかかわらず、2015年上半期の実績が前年同期を大きく上回っているのは注目に値する。

 

(注)韓国と北朝鮮の貿易は、国家間の取引ではなく、民族内部の取引であるとの位置付けから、韓国では「南北貿易」とせず「南北交易」と呼んでおり、韓国から北朝鮮への輸出は「搬出」、北朝鮮から韓国への輸入は「搬入」という用語を用いている。

 

(根本光幸)

(韓国、北朝鮮)

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