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2014年の北朝鮮のGDP、4年連続のプラス成長に-韓国銀行が推計値発表-

(北朝鮮、韓国)

中国北アジア課

2015年08月04日

 韓国銀行(中央銀行)は7月17日、北朝鮮の2014年のGDP成長率の推計値を発表した。それによると、2014年の実質GDP成長率は1.0%増で、2011年以降、4年連続のプラス成長となった。2014年は農林漁業と鉱工業の増加傾向が2013年に比べ鈍化したものの、2012年、2013年と不振だった建設業が好調に転じたことや、同じく横ばい状態だったサービス業が増加したことによる、と韓国銀行では分析している。

2014年のGDP成長率は1.0%とやや減速>

 韓国銀行が発表した報道資料(注1)によると、北朝鮮が2011年以降4年連続してプラス成長を続けているのは、総じて大規模な水害がなく良好な気象条件に恵まれ、農作物の生産が順調だったことや、鉱工業生産が活発だったためとしている(表12012年7月24日記事2013年7月23日記事2014年7月10日記事参照)。

 産業別にみると、農林漁業は栽培業でトウモロコシやジャガイモの生産が減少したものの、畜産業が養豚を中心に増加に転じたほか、漁業も好調だったことから、前年比1.2%増となった(表2参照)。鉱業は石炭と非金属鉱物を中心に1.6%増だった。製造業も0.8%増と前年に比べ増勢が鈍化した。うち軽工業分野では、食料品や飲料品が増勢を堅持し、繊維・衣服および履物が増えた結果、1.5%増となった。一方、重化学工業分野では石炭製品、鉄鋼などは増えたものの、金属加工・組み立てや機械類などが減少したため0.5%増にとどまった。

 電気・ガス・水道業はガスおよび熱供給業は増加したものの、水力を中心とした電気業が減少したことで、前年比2.8%減となった。一方、建設業は道路や発電所建設などの土木工事が減少したものの、建物建設が増えた結果、1.4%増と前年の1.0%減から増加に転じた。

 

 サービス業では、卸・小売りおよび飲食・宿泊業が前年比0.8%増、運輸・通信業が1.1%増、政府サービスが1.6%増といずれも好調だったことから、全体で1.3%増となった。

 

<産業構造面では農林漁業、鉱工業の比重が年々低下>

 2014年の北朝鮮の産業構造をみると、農林漁業と鉱工業の比率が低下しているのが分かる(表3参照)。農林漁業は2012年の23.4%から2014年には21.8%に、鉱工業は同じく35.9%から34.4%に低下している。代わって、電気・ガス・水道業は2012年の3.5%から2014年は4.3%に、サービス業は同じく29.4%から31.3%に比率を高めている。

<名目GNIは韓国の44分の1どまり>

 2014年の北朝鮮の名目国民総所得(GNI)は、韓国ウォンで換算すると342,000億ウォン(約37,620億円、1ウォン=約0.11円)で、韓国のGNI1,4966,000億ウォン)の約44分の1になる(表4参照)。

 また、1人当たりのGNI1388,000ウォンで、韓国の2,968万ウォンの21分の1の水準にとどまっており、GNI1人当たりGNIともに、韓国との格差は徐々に拡大する傾向にある。

 

<北朝鮮の貿易規模は前年比3.6%増>

 このほか、韓国銀行では北朝鮮と韓国の貿易規模の比較を行っている。それによると、2014年の南北交易を除いた北朝鮮の貿易規模は前年比3.6%増の761,000万ドルとなった(表5参照)。輸出が前年比1.7%減の316,000万ドル、輸入が7.8%増の445,000万ドルになっている(2015年6月23日記事参照)

 なお、2014年の南北交易については、報道資料の参考として添付した統一部作成の表の中で、韓国から北朝鮮への搬出(注2)が前年比2.2倍の113,640万ドル、北朝鮮から韓国への搬入が96.1%増の12620万ドル、合計では2.1倍の234,260万ドルと明らかにしている。搬出、搬入ともに前年のほぼ2倍にまで増加したのは、201349月に操業中断状態にあった開城工業団地の操業が2014年は平常に戻ったことによるという。

 

(注1)韓国銀行は1991年以降、北朝鮮の経済活動に関連する基礎資料の提供を関連機関から受け、それを基に、韓国での価格、付加価値などを適用して「北朝鮮の経済成長率」を推計している。これは北朝鮮の経済力を韓国の経済的視点から比較・分析し、その結果を北朝鮮政策に活用することを目的としている。この推計作業に当たっては、国連の国民経済計算体系(SNA)に基づいている。

(注2)韓国と北朝鮮の貿易は、国家間の取引ではなく、民族内部の取引であるとの位置付けから、韓国では「南北貿易」とは呼ばずに「南北交易」と呼んでおり、韓国から北朝鮮への輸出は「搬出」、北朝鮮からの輸入は「搬入」という用語を用いて、あくまで国内取引だとしている。

 

根本光幸

 

(北朝鮮、韓国)

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