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北朝鮮の2012年GDP成長率、2年連続でプラスに−韓国銀行が推定−

(韓国、北朝鮮)

ソウル事務所

2013年07月23日

韓国銀行(中央銀行)は7月12日、北朝鮮の2012年の推定GDP成長率を1.3%と発表した。2年連続のプラス成長となった。また、韓国の民間研究所が推計した北朝鮮の2012年の1人当たりGDPは783ドルで、依然金額は小さい。一方、4月から操業が中断している開城(ケソン)工業団地は再開に向けた南北の実務協議が始まり、今後の進展が注目される。

<製造業がプラス成長に転換>
韓国銀行の7月12日発表によると、北朝鮮の2012年の推定GDP成長率は1.3%で、北朝鮮経済は2011年に続いて2年連続のプラス成長を記録した(表1参照)。これは、初めて韓国の成長率を上回った2008年(3.1%)以来の高い水準だ。

表1北朝鮮と韓国のGDP成長率

北朝鮮経済について、韓国銀行関係者は「2012年は農林漁業が好調だったのに加え、製造業分野の生産が増加に転じて、成長率がさらに高まった」と分析した。産業別動向をみると、名目GDPの23.4%を占める農林漁業分野の生産が、畜産業と農作物の生産増加により前年比3.9%増となった(表2参照)。また、製造業は2009年以降3年連続でマイナスを記録していたが、2012年は前年比1.6%増に転じた。食料品とたばこなどの生産増加によって軽工業が4.7%増となり、併せて、水力・火力発電の拡大により電気・ガス・水道業も1.6%増となった。

表2北朝鮮の産業別GDP成長率

<北朝鮮の1人当たりGDPはミャンマー並み>
韓国銀行はまた、北朝鮮の2012年の名目国民総所得(GNI)は33兆5,000億ウォン(約3兆150億円、1ウォン=約0.09円)で韓国の約38分の1、1人当たりのGNIは137万1,000ウォンで約19分の1と推定し、韓国との格差は依然として大きいと分析した。

一方、韓国の民間シンクタンクである現代経済研究院は7月11日、北朝鮮の1人当たりのGDP(名目)が2011年より63ドル増えて783ドルになったと推計した。その背景として、(1)良好な気象条件による農作物の作況改善、(2)建設部門に対する投資拡大、(3)韓国および中国との貿易増加(表3参照)、(4)北朝鮮に対する国際社会の支援拡大、を挙げた。また、同研究院の関係者は「北朝鮮の1人当たりGDPは、 ほかの社会主義国(中国6,076ドル、ベトナム1,528ドル、ラオス1,446ドル)と比べると低く、アジアではバングラデシュ(850ドル)やミャンマー(835ドル)に近い水準だ」とし、「北朝鮮経済は依然として独り立ちが難しい状況であり、南北関係の改善および外資誘致を通じて経済活性化を図るべきだ」と述べた。

表3南北交易の推移

<開城工業団地の正常化交渉は難航>
4月から操業中断している開城工業団地の正常化交渉のため、韓国と北朝鮮の両政府は7月から当局者による実務協議を行っている。この協議を通じて、韓国政府は企業関係者の身辺の安全と投資資産保護のための法的・制度的措置、一方的な操業中断の再発防止策を北朝鮮側に要求している。また、同団地に入居する韓国・外国企業に国際的な水準での企業活動を保障することで、国際的な工業団地に発展させるべきだとも主張している。しかし、北朝鮮側は再発防止策などに関連した具体的な対策を提示することなく、同団地の早期再開を求めたことから、交渉は難航している。19億ドル規模の南北交易はほとんどが開城工業団地に関連したもので、今後の成り行きが注目される。

一方、米国の海外向け放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は7月4日、国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した報告書を引用し、「2012年の北朝鮮に対する海外直接投資(FDI)は、2011年の5,600万ドルから41%増えて7,900万ドルになったと推計される」と伝えた。この額は2009年の200万ドルから2010年には3,800万ドルに急増した後、3年連続で増加しているものの、依然としてまだかなりの低水準だ。また、2012年末時点で北朝鮮に投資されたFDI総額は16億1,000万ドルと集計されており、そのほとんどは中国からの投資だった。

(李丙鎬)

(韓国・北朝鮮)

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