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農産物などの輸入禁止を強化-輸入品は廃棄処分、対象国に5ヵ国を追加-

(ロシア、米国、欧州)

欧州ロシアCIS課

2015年08月21日

 ロシアが米国やEUによる経済制裁への対抗措置を強化している。8月に入り、対象国からの農産物などの輸入品を廃棄処分の対象とした。また、農産品などの輸入禁止対象国にウクライナなど5ヵ国を追加した。

<密輸対策の実効性を上げるためと説明>

 メドベージェフ首相は731日、輸入禁止対象国から輸入されロシア国内で流通する食品などの廃棄処分を可能にする連邦政府決定第774号に署名した。同決定は、これに先立ちプーチン大統領が署名した大統領令第391号「ロシア連邦の安全保障を目的とする特定の特別経済措置について」(2015729日付)の実施規定に相当するもの。

 

 これにより、米国、EU、カナダ、オーストラリア、ノルウェーから輸入された農産物、食品原材料、食料品は廃棄処分の対象となった。連邦税関局、連邦動植物検疫監督局(ロスセリホズナドゾル)および連邦消費者権利保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)がその実施機関となる。

 

 政府は6月、20148月に導入した農産物などの輸入禁止措置(2014年8月8日記事参照)1年間の延長を決定した(2015年7月1記事参照)。今回の措置には、これらの措置を強化する狙いがある。政府決定第774号が発効した翌日の87日までに合計348トンの対象製品が廃棄され、その後も廃棄処分が続いている。813日時点で合計600トンが処分されたもようだ(インターファクス通信87日、814日)。

 

 政府は、本措置を密輸対策の強化のためと説明している。これまで、輸入禁止措置は導入されていたもののその実効性は必ずしも高くなく、ロシア国内に米国やEUからの農産物や食品が流入していた。今回の措置はこれを厳格化する意味がある。ロスセリホズナドゾルは、ウクライナに近いスモレンスク州のクラスナヤ・ゴルカ申請受付ポイントでは、通常1日当たり170台の食品などを輸送するトラックが通過するが、措置が発効した86日は、70台と大幅に減少した、と発表した(プレスリリース87日)。

 

<ウクライナからの輸入禁止は延長の可能性も>

 さらにメドベージェフ首相は813日、政府決定第842号「政府決定第778号(201487日付)および政府決定第774号(2015731日付)の変更について」に署名した。これは、農産品などの輸入禁止対象国にウクライナ、アルバニア、モンテネグロ、アイスランド、リヒテンシュタインの5ヵ国を追加するもの。政府は追加の理由を、これら5ヵ国がEUに同調し、ロシアに対する制裁措置を発動したためとしている。同決定は公布日の817日から施行された。

 

 ただし、ウクライナ産の対象製品については輸入禁止措置の適用を2015年末まで延期する可能性を残している。これは、ウクライナとEUの連合協定の貿易部分の適用(2014年9月18事参照)が、EU、ウクライナ、ロシアの間で争点になっているためだ。

 

 ロシアはウクライナとの間にCIS自由貿易協定(FTA)を結んでおり、両国産の製品はそれぞれの国に無税で輸入できる。他方、ウクライナにはEUと結んだ「高度かつ包括的な自由貿易圏(DCFTA)」を含む連合協定により、無税あるいは低税率でEU産の製品が流入してくる可能性がある。このためロシアはDCFTAの適用停止を求め、また適用された場合にはウクライナから輸入された製品の原産地の確認を厳格化することを示唆している。

 

(梅津哲也)

(ロシア、米国、欧州)

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