海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本産食材サポーター店インタビュー Au 14 Fevrier Lyon

食通リヨネを虜にする、予約困難な人気店
正統派フレンチに日本食材が共存するその秘訣とは

所在地:リヨン(フランス)

外観、内装、食器、そして盛り付け。全てにまずは目を奪われる

石畳の残る、リヨン旧市街。大聖堂近くの小道を入っていくと、ガラス張りのモダンで明るいレストランに目を引かれ、皆立ち止まる。新居シェフはリヨンで13年、この旧市街のレストランは2017年にオープンして6年になる。この日のランチも満席で、お客様は私以外皆、地元のフランス人。食の都リヨンのフランス人を虜にするミシュランスターレストランだ。

ひたむきに、華やかに。食の聖地に咲く1人の日本人シェフ

何故リヨンを選んだのかという問いに、「食の都という憧れ、初の渡仏で来たリヨンの景観と人に魅了された」という。「渡仏当時既に30才を過ぎていて、東京の坂井宏之シェフの元で10年勤めた経験があったから、いきなりリヨンで勝負したいと思った。」その新居シェフがリヨンで意識している事は、地産地消・日本人アイデンティティ、そして四季。

一口ひとくちに、シェフの料理へのこだわりと愛が感じられて

インタビューをお願いした時に、「日本食材は使用しているが、あくまでフランス料理です。」とお伺いしていたが、初っ端から随所に日本食材が散りばめられている。湯葉を揚げたものがカナッペとして使用されていたり、味付けに味噌が隠れていたり、バターに至っては香り華やかな青山椒の風味。お隣の席もこのバターは早々に平らげられていた。装飾にも和紙の折り紙があしらわれ、焼き鳥のようなスタイルの1品も見受けられる。(味、装飾、スタイル、どれをとってもやっぱり)正統派フレンチなのに、日本人のアイデンティティに懐かしさや落ち着きを想起させてくれる工夫が至る所に見受けられる。それは同時に、フランス人にとっては、斬新な驚きをもたらすのである。
現在使用している日本食材は調味料が主だが、リヨンの小売店でとんぶりが見つかる事もあり、意欲的にメニューに取り入れている。

日本への郷土愛は再び海を越えて

リヨンに根を生やして13年。日本人が創るフレンチレストランと認識され、期待されている。それに応えるために、日本食材とフランス料理のマリアージュを感じ取ってもらえるように努めているが、お客様の好みに合わせる事はしない。現時点では主に現地で手に入る日本素材からイメージされ、創作されたものをお試し頂き、共感して頂くスタイルでお客様に喜んで頂いている。新居シェフは山梨県甲府出身。現在は自分が生まれ育った土地のものを、遥か彼方のこの地フランス、リヨンに紹介する事で、地元に貢献したいと考えている。既に地元の様々な特産品の生産者とコミュニケーションを取り、新たな夢の実現に向けて模索の日々である。
シェフは海外市場を目指す生産者の皆さまにも、師、坂井宏之シェフから頂いた「勇住精進」勇気を持って己の信じる道を突き進むという言葉を胸に頑張ってほしいとエールを送る。

Au 14 Fevrier Lyon
Au 14 Fevrier Lyon36 Rue du Bœuf, 69005 Lyon
Tel: +33 4 78 92 91 39
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