トランプ米政権、3回目の米中首脳会談のファクトシート発表、通商措置停止の延期は記載せず
(米国、中国)
ニューヨーク発
2026年09月28日
米国のトランプ政権は9月25日、米中首脳会談に関するファクトシート
を発表した。ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席は9月24日、トランプ政権2期目で3度目となる首脳会談を首都ワシントンで行っていた(2026年9月25日記事参照)。
ファクトシートによれば、両首脳は、5月に北京で行われた2回目の首脳会談で設立を決めた米中の「貿易委員会」と「投資委員会」の運用を、9月21日の週に開始した(2026年5月19日記事参照)。両国は貿易委員会の下、双方向でそれぞれ300億ドル相当の経済安全保障上重要でない品目について、より有利な関税率を適用することで合意した。対象品目には、米国の輸入品では、小型家電、玩具、祝日用装飾品、チャイルドシートなどの消費財が、米国の輸出では、農産物、魚介類、丸太・木材製品、化粧品、医療機器などが含まれる。また同委員会の下で、農業分野における市場アクセス障壁の解消に向けた作業部会を設置した。そのほか、中国は2027年と2028年に、米国から少なくとも1,000万メートルトンの石炭を輸入する。
投資委員会については、潜在的な投資機会や投資関連の障壁を協議し、商業的に重要な投資関連の問題に対処するための枠組みを双方に提供することが目的だと説明した。希土類(レアアース)などの重要鉱物については、米国が抱える懸念に引き続き対処し、出荷量を適切な水準に戻すことを目指すと記載した。
また、2回目の首脳会談と同様、両国はあらためて「建設的な戦略的安定」をもたらす関係の構築で合意した。その上で両首脳は、ロシア、北朝鮮、イランを含む現在進行中の世界的な懸念事項について協議し、イランによる核兵器の保有を認めないことや、いかなる国・地域や機関も国際水路に通航料を課すことを認めないことで合意した。
そのほか両首脳は、「人工知能(AI)」ではなく「スーパーインテリジェンス(SI)」を用いることで合意した。加えて、SIに関連するリスクとメリットについて意見交換を行うため、「米中SI対話」を設置した。次回の意見交換は2026年11月までに実施する。
なお、両首脳は、11月に中国で開催されるAPEC首脳会議と、12月に米国で開かれるG20サミットに出席する意向を明らかにした。
ただし、ファクトシートでは、11月に期限を迎える各種通商措置の一時停止期限の延長について記載しなかった。スコット・ベッセント財務長官は首脳会談前日の9月23日、一時停止を2027年1月10日までの延長で合意したと述べていた。そのほか、2回目の首脳会談で決められた、中国によるボーイング製航空機の購入、米国産農産品の購入についても記載はなかった。航空機の購入数を巡っては、米中双方の発表内容に隔たりがあると指摘されていた。
また、投資委員会の設立が発表されたが、米国の自動車業界からは、中国メーカーが米国内で生産してもサプライヤーや部品を中国に依存する構造は変わらず、コネクテッドカーを巡る安全保障上の脅威は解消されないなどと警戒する声が上がっている(2026年9月24日記事参照)。
なお、今後の米中関係では、米国連邦通信委員会(FCC)による通信機器などの輸入・販売規制(2026年8月3日記事参照)が焦点の1つになるとみられている。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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