非居住者が保有する貨物の通関制度:中国

質問

当社は、中国に住所のない日本企業です。中国に貨物を送り、非居住者名義で、中国国内に輸入通関できますか。また、同じく非居住者名義で、中国から輸出通関を行う、あるいは現地で貨物を管理できますか。

回答

Ⅰ. 非居住者による輸出入申告、積戻し申告について

中国では、非居住者は自己の名義で輸出入申告および積戻し申告を行うことはできません。
中国で輸出入申告および積戻し申告を行うためには、税関における「通関申告主体(輸入者・輸出者)」としての登録(輸出入貨物の申告名義人:企業コード・AEコードの取得)が必要です。
非居住者(中国に住所のない日本企業)が自社名義で申告することはできないため、中国国内で税関の通関申告主体登録を有する法人または個人を指定し、その者の名義で申告します。
輸入関税および輸入増値税の支払いは、通関申告主体側が税関に対して行います。

Ⅱ. 非居住者が保税地域内で保有する貨物管理について

  1. 概要
    非居住者は、保税地域内(保税物流園区等)の貨物を管理する目的で、保税地域に所在する保税倉庫を借りることができます。当該保税倉庫を借りるためには、中国の地方税関局への届出・受理が必要です。当該届出・受理にあたっての要件は、保税区(総合保税区・保税物流中心等)ごとに、施設管理者・税関の規程に適合する必要があります。
  2. 蔵置可能期間
    蔵置可能期間の上限・延長可否は、各保税区の管理細則・貨物属性・通関態様により異なります。案件ごとに当該保税区の規程で確認が必要です。
  3. 保税地域での貨物管理に伴う課税関係
    保税地域内での倉庫保管・荷役・検品・梱包などの役務に対する対価は、貨物そのものの輸入段階の税金とは別に「サービスに対する増値税」として区内企業に課税されます。
    一方、保税地域内で保税監管下にある貨物については、輸入段階の関税・増値税および消費税は原則として徴収保留(保税)となります。貨物が区内で保管または区内移動する限り、増値税・消費税の納付義務は発生しません。貨物を区外へ出して中国国内市場へ販売する場合には、関税・増値税・消費税が課税されます。
    企業所得税は、恒久的施設(Permanent Establishment:PE)と認定され課税されるリスクが生ずる場合がありますが、借りた倉庫は「単に蔵置、陳列又は引き渡しを目的として、本企業の物品又は商品の在庫を保存する」ための場所であり、単純に準備、補助的活動をするために設置された場所である場合、通常、PEに認定されないと考えられます。

Ⅲ. 非居住者による保税地域外での貨物管理について

  1. 概要
    保税地域外では、中国内国貨物と扱われます。非居住者であっても、自己の名義で貨物管理を行えます。 貨物管理のために代理人を指名する、あるいは貨物管理のための駐在員事務所を設置することも可能ですが、その場合はPEと認定される可能性があります。
  2. 蔵置可能期間
    中国内国貨物保有期間の制限はありません。
  3. 保税地域外での貨物管理に伴う課税関係
    倉庫保管料には増値税が課せられます。貨物の管理形態により、PEと認定される可能性があります。

関係機関

関係法令

中国税関:
税関申告単位登録管理規定(税関総署令第253号、2021年11月12日公布、2022年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家税務総局:
租税条約にいう恒久的施設の認定などに関する国家税務総局の通知(国税発[2006]35号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本国政府(財務省):
「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」及び「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び 脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」に係る統合条文 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016年5月
最終更新:2026年1月

記事番号: K-120302

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