化粧品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出

質問

中国に化粧品を輸出します。現地での輸⼊規則および輸出者としての留意事項を教えてください。

回答

中国に化粧品を輸出する際、特殊化粧品に該当する場合は登録証の取得、一般化粧品に該当する場合は届出証を取得のうえ、税関の通関検査を受ける必要があります。2021年公布の「化粧品監督管理条例」施行以降、特に安全性評価の厳格化と原料のトレーサビリティ管理が強化されています。詳細は以下のとおりです。

Ⅰ. 化粧品の分類

「中華⼈⺠共和国化粧品監督管理条例」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、化粧品は、人体表面に使用し、清潔・保護・美化・外観を整えることを目的とする日用化学工業製品と定義され、「特殊化粧品」と「一般化粧品」に分類されます 。

  1. 特殊化粧品
    染髪⽤、パーマネント用、シミ取り・美白、⽇焼け⽌め、抜け毛予防、または新たな効能を標榜する化粧品が該当します。特殊化粧品を輸入する際には、事前に特殊化粧品登録手続きが必要です。
  2. 一般化粧品(中国語では「普通化粧品」という)
    特殊化粧品以外の化粧品は、一般化粧品に該当します。一般化粧品を輸入する際には、一般化粧品届出手続きが必要です。

Ⅱ. 中国で化粧品を販売する2つの方法

海外化粧品メーカーが中国で販売する方法は、以下の2つの方法があります。

  1. 一般輸入:登録/届出を経て輸入・販売
  2. 越境電子商取引:越境電子商取引プラットフォームを通じた販売。

3. 一般輸入時の規制

1. 特殊化粧品の輸入許認可申請手続き

特殊化粧品の輸入許認可申請・申請・資料提出→技術評価→結果の発表


  • 登録・申請の流れ
    初回輸入の特殊化粧品は、その登録者(海外メーカー等)が中国国内企業を中国国内責任者として指定し、当該中国国内責任者が、「国家薬品監督管理局行政サービスポータル」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて登録申請を行い、国家薬品監督管理局化粧品技術審査機構(以下、技術審査機構)による技術評価を経て登録証の交付を受けます。
  • 技術評価
    提出された資料は技術審査機構により成分・安全性・品質管理・効能等の観点から審査されます。
  • 所要期間
    法令上、原則として技術審査機構が資料受領後90営業日以内に審査を完了し、結果(審査意見)を提出します。その後、国家薬品監督管理局が意見受領後20営業日以内に登録可否を決定します。実務上、申請から登録証取得までにかかる期間の⽬安は、4~6か月ですが、追加資料提出や質疑応答の有無により全体期間が延びることがあります。
  • 特殊化粧品登録証の有効期間
    有効期間は5年です。なお、更新手続きは期間満了の90~30営業日前までの間に行う必要があります。

2. 一般化粧品の届出手続

一般化粧品の届出手続 申請・資料提出→届出完了


初回輸入の一般化粧品は、その届出人が中国国内企業を中国国内責任者として指定し、当該中国国内責任者が、上記サービスポータルを通じて、必要資料を提出します。法令上は資料の提出により届出が完了し、原則として5営業日以内に、結果が公示されます。一方、委託機関の状況によりますが、製品検査報告書や安全性評価資料の整備には1〜3か月程度の時間を要するため、事前確認が重要です。
また、その手続きは、1.「中国国内責任者」の登録と、2.「製品自体」の登録・届出の二段階で行われます。

    1. 中国国内責任者の要件・義務
      登録/届出人に代わって手続きを行う中国法人は、以下の条件をすべて満たす必要があります。なお、同一製品について複数の中国国内責任者を指定することはできません。
      • 中国で適法に設立された企業であること。
      • 製品に応じた品質管理体制を整備していること。
      • 製品使用後のトラブル(肌荒れなど)を監視し、必要に応じて製品を回収(リコール)できる能力があること。

      また以下の法的義務を負います。

      • 不良反応の報告および問題発生時のリコール対応を主導すること。
      • 中国国内市場に投入された化粧品・新原料の品質安全に関する責任を負うこと。
      • 当局による監督検査に協力すること。
    2. 登録・届出に必要な主要書類
      • 登録/届出情報一式:
        • 登録人・届出人・中国国内責任者の情報(情報表、連絡先 等)
        • 品質管理体系/不良反応監視・評価体系の概要
        • 中国国内責任者の授権書(および公証書類)
      • 製品配合(全成分:名称・含量・用途)、原料安全情報
      • 製品実行標準(企業標準)
      • ラベル/包装展開図(中国語表示案)
      • 検査報告書・安全性評価報告書

3. 運用上の留意点

      1. 生産国(地区)での販売証明書と製造基準証明書
        原則として、生産国(日本等)で既に販売されていることの証明書と、工場が適切な製造管理(GMP等)を行っている証明書が必要です。詳細は、日本化粧品工業会ホームページ上の輸出証明書発給業務のパートをご覧ください。
      2. 製造品質管理の証明
        海外メーカーが化粧品生産品質管理規範(GMP)で求められる管理水準であることを示す証明資料の提出が求められます。
      3. 効能宣言の根拠
        「美白」「保湿」などの効果をうたう場合は、「化粧品効能宣言評価規範」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、その効能を有していることを宣誓し、その根拠となる文献や試験データの要約を当局のウェブサイトで公開しなければなりません。
      4. 安全性評価
        製品登録・届出に先立ち、「化粧品安全性評価技術ガイドライン(2021年版)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます等に基づく安全性評価資料を整備する必要があります。
      5. 原料安全情報(提出コード)の紐づけ
        処方に含まれるすべての原料について、原料メーカーが国家薬品監督管理局に提出した原料安全性情報を「原材料安全情報提出コード」で紐づける必要があります。これは製品の処方(原料名・含量・用途)を入力した上で、各原料の提出コードをシステム上で入力/選択し、当該原料の安全情報(毒性・不純物・品質規格等)を製品申請に連携させる仕組みです。これにより、同一仕様の原料について安全情報を毎回再提出する負担が省かれ、トレーサビリティが強化されます。
      6. 一般化粧品に対する資料提出負担の軽減
        一般化粧品については、制度上、安全性評価は実施が必要である点は維持しつつ、届出時に当局へ提出する資料の範囲や内容を軽減する下記のような措置が段階的に整備されています。
        1. 安全性評価資料の分類管理(2024年5月1日施行)
          一定条件を満たす一般化粧品は、提出する資料を『安全性評価の基本結論』に縮減できるようになり、安全性評価報告書(全文)は企業が保管して当局の確認要求に備えるとする運用が導入されました(軽減の対象は「提出物」であり、安全性評価の実施義務そのものを免除するものではありません)。
        2. 毒理学試験報告の提出免除(条件付き)
          上記a.とは別に、一般化粧品については化粧品登録届出資料管理規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、生産企業が所在国(地区)政府主管部門の発行する生産品質管理体系関連資質認証を取得しており、かつ製品安全リスク評価結果が製品の安全性を十分に確認できる場合、当該製品の毒理学試験報告の提出が免除される場合があります。ただし、乳幼児・児童向けを標榜する製品、モニタリング期間中の新原料を使用する製品、薬品監督管理局が実施するリスク評価に基づく企業格付け(リスク点数化によるランク分類)の結果、重点監督対象に分類された場合は免除対象外です。

4. ラベル表示

登録申請または届出を行う化粧品は、「化粧品ラベル管理弁法」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます により、最小販売単位毎に中国語ラベルが必要で、内容は合法・真実・完全・正確で登録/届出情報と一致していなければなりません。

      1. 記載事項
          • 製品の中国語名
          • 登録者、届出人の名称・住所
          • 中国国内責任者の名称・住所(登録者または届出人が国外企業である場合)
          • 生産企業の名称・住所
          • 製品の標準番号(特殊化粧品では登録証書番号、一般化粧品では届出番号)
          • 全成分
          • 内容量
          • 使用期限
          • 使用方法
          • 必要な注意喚起

        ※包装箱がある場合は、内容物に直接触れる容器に製品の中国語名と使用期限を表示しなければなりません。

      2. 禁止される表示例
        • 医療作用を明示・暗示する表現
        • 虚偽・誇大・絶対化表現
        • 科学的根拠のない概念で消費者を誤認させる表現
        • 国家機関等の名義・イメージを利用した推薦表示
        • 効能・安全性の断言・保証
      3. 子供用化粧品の特例
        「児童化粧品監督管理規定」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます により、12歳以下向けの子供用化粧品は、販売包装に子供用化粧品マークを表示し、「成人の監護の下で使用すること」等の警告文言を表示する必要があります。また、子供用化粧品のラベルに「食品級」「可食用」等の文言や食品関連の図案を表示することは禁止されています。
      4. 電子タグ制度の施行
        2026年2月1日から「化粧品電子タグ試行事業実施に関する通知」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、北京、上海、広東などの指定地域において、3年間の「電子タグ」制度が試行されました。二次元バーコード等を通じて、詳細な成分情報や注意事項を消費者が確認できます。

5. 「化粧品生産経営監督管理弁法」について

化粧品監督管理条例の重要な下位法令の一つとして、2022年1月1日から「化粧品生産経営監督管理弁法」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが施行されています。同条例を補完し、化粧品の生産許可、トレーサビリティ、品質安全責任、サンプル保管、表示・広告、電子商取引等について具体的に規定しています。主要ポイントは以下の通りです。

      1. トレーサビリティ
        入荷検査記録や販売記録等の制度を整備し、製品を追跡可能にすること。
      2. 品質安全責任
        品質安全責任制を整備し、法定代表者・主要責任者が品質安全に全面責任を負うこと。
      3. サンプル保管
        生産されたロットごとにサンプルを保管・記録すること。外国の登録人・届出人は輸入ロット毎に国内責任人にサンプルを保管させること。
      4. 電子商取引
        電子商取引を経由して販売する場合は、メインページで化粧品登録または届出資料と一致する化粧品ラベルなどの情報を全面的、真実、正確に開示すること。

6. 化粧品の原料を輸入する場合

中国では、化粧品の原料を「新原料」と「使用済み原料」の2つに分けて管理しています。中国国内で過去に使用実績がない天然または人工の原料は「新原料」とみなされ、製品に使用する前に手続きが必要です。新原料のリスクの高さに応じて「登録」と「届出」のいずれかの手続きを行います。

      1. 化粧品の原料に関するルール
        1. 登録管理(リスクが高い原料)
          腐敗防止、日焼け止め、着色、染毛、シミ取り・美白の機能を持つ新原料は、薬品監督管理部門に申請し、厳しい審査を経て登録される必要があります。
        2. 届出管理(その他の原料)
          上記以外の新原料については、使用前に薬品監督管理部門に必要な資料を提出し、届出を行う必要があります。
        3. 使用済み原料
          既に「既存化粧品原料目録」に記載されている原料については、個別の登録や届出は不要です。ただし、原料メーカーは、自社原料の原料安全性情報を国家薬品監督管理局の原料情報システムへ提出し、「原材料安全情報提出コード」の発行を受けておく必要があります。このコードが存在しないと、製品の登録・届出手続き時に処方原料をコードで紐づけ提出できず支障が生じます。
      2. 新原料の登録・届出に必要な主要資料
        • 登録人/届出人・中国国内責任者の情報(名称・住所・連絡先)
        • 新原料の開発報告書(由来・構成・理化特性・使用条件・機能根拠 等)
        • 製造工程(プロセス)・安定性・品質管理基準 等の研究資料(不純物管理を含む)
        • 安全性評価資料(毒性データ、暴露評価、リスク評価 等)
      3. 申請の流れと所要期間
        1. 登録
          オンラインで資料を提出後、3営業日以内に専門の審査機関へ送られ、90営業日以内に技術審査・意見提出が行われます。その後、20営業日以内に登録の可否の判断が下されます。
        2. 届出
          オンラインで資料を提出後、5営業日以内に届出に関する情報がウェブサイト上で公示されます。
      4. 留意点
        1. 安全性モニタリング
          登録・届出が完了して使い始めてから3年間は、その原料の安全性モニタリング期間となります。申請者は、毎年その原料の使用状況や安全性の報告書を提出しなければなりません。
        2. 既存リストへの追加(2025年からの新制度)
          3年間のモニタリング期間を終え、安全性が確認された新原料は、「既存化粧品原料目録」に収載されます。2025年7月からは、この目録が「リストI(確立された原料)」と「リストII(新たに加わった原料)」に区分管理されるようになりました。
      5. 使用禁止原料・使用制限原料
        化粧品安全技術規範(2015年版)及び関連公告により、使用禁止原料・使用制限原料が厳格に定められています。
        1. 使用禁止原料
          『化粧品禁止原料目録』および『化粧品禁止動植物原料目録』に記載されている成分は、一切使用できません。これらは、近年の法改正(2021年の公告第74号など)により、最新の状態に更新されています。
        2. 使用制限原料
          防腐剤や紫外線吸収剤など、一定の範囲内であれば使用できる原料ですが、決められた濃度を超えて配合することはできません。 化粧品に配合されている原料が一つでも禁止目録に該当する場合や、制限濃度を超えている場合は、中国へ輸入することができません。事前に最新の目録と照らし合わせ、輸入者や専門機関を通じて確認することが極めて重要です。

IV. 電子商取引(越境EC)による規制

電子商取引(越境EC)による規制については、以下のQAをご参照ください。

関係機関

国家薬品監督管理局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関総署 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国食品薬品検定研究院外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家薬品監督管理局食品医薬品審査検査センター 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本化粧品工業連合会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

国務院:
化粧品監督管理条例(国務院令第727号、2021年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家市場監督管理総局:
化粧品登録届出管理弁法(国家市場監督管理総局令第35号,2021年5月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品生産経営監督管理弁法(国家市場監督管理総局第46号,2022年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「越境電⼦商取引⼩売輸⼊リスト」(2022年3月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家薬品監督管理局:
国家薬品監督管理局による「化粧品監督管理条例」の実施に関する事項の公告(2020年第144号) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品新原料登録届出資料管理規定(2021年第31号公告,2021年5月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品効能表示評価規範(2021年第50号公告,2021年5月1日施行) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品安全性評価技術ガイドライン(2021年版、2021年第51号公告,2021年5月1日施行) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品ラベル管理弁法(2021年第77号公告、2021年5月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
子供用化粧品監督管理規定(2021年第123号公告,2022年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家薬品監督管理局による化粧品安全評価管理の最適化に関する措置の公表に関する公告(2024年第50号公告、2024年5月1日施行) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品検査管理弁法(2024年第52号公告、2024年11月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
既存化粧品原料目録管理事項(2025年第61号公告)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
化粧品電子タグ試行事業実施に関する通知(国薬監化粧〔2025〕第16号通知 2026年2月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
既存化粧品原料目録管理事項(2025年第61号公告)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
財政部:
「化粧品輸入段階の消費税調整に関する通知」(財関税〔2016〕48号、2016年10月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関総署:
「輸入肉類受取人、輸入化粧品国内受取人の届出を取り消す公告」(2022年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連リンク

ジェトロ:
貿易・投資相談Q&A「中国における越境ECの概要と留意点:中国向け輸出」
貿易・投資相談Q&A「個人宛て小口貨物の通関制度:中国」

調査時点:2022年3月
最終更新:2026年2月

記事番号: P-220301

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