1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 貿易・投資相談Q&A
  4. デラウェア州での会社設立手続き:米国

デラウェア州での会社設立手続き:米国

質問

米国デラウェア州に会社設立を検討しています。会社設立方法と留意点について教えてください。

回答

I.デラウェア州の会社法

米国を拠点とする新規株式公開企業の8割、フォーチュン500社の6割以上が、デラウェア州の会社法に準拠して設立されています(2018年)。その背景には、同州の会社法に他州の会社法にはない特徴があることが挙げられます。具体的には、同州会社法は他州に比べ、進歩的、合理的で、経営者に対しより大きな裁量権を与えていることです。また、同州高等裁判所(Court of Chancery:衡平法裁判所)は、企業活動関連訴訟の判例を多数有しているため、商取引紛争を低コストで迅速に解決できる可能性があります。

同州で事業主体を設立する際、日本企業は通常、株式会社(Corporation)を設立します。ここでは株式会社設立を前提に説明します。なお、各州に共通する事項、基本定款、従業員採用、労務管理、ビザ取得等については、文末の調査レポート「米国における事業進出マニュアル」を参照ください。

II.会社設立手続き

  1. 登録代理人(Registered Agent)の選定
    同州でビジネスを行うには、登録代理人を選定する必要があります。登録代理人は同州内に住所を有する個人または法人です。州のウェブサイトに登録代理人のリストが公開されています。ただし、州政府がリストの登録業者の行為を保証するということではありません。登録代理人の選定にあたっては、登録代理人の要件(同州会社法第1章3節)を遵守していることを確認する必要があります。なお、設立される法人の本拠が同州である場合は、自身を登録代理人とすることができます。
  2. 会社名の予約
    既に登録されている名称は使用できません。登録できる会社名は、州政府のウェブサイトのデータベースで検索し、事前に調査できます。会社名を予約するには、予約料金(75ドル)を小切手、クレジットカードで支払います(有効期間120日間、延長可)。申請は指定のフォームをファックスあるいは郵送で提出するか、オンラインで申請を行うこともできます。詳細は文末の「各種申請フォーム」を参照ください。
  3. 設立申請
    1. 現地法人の設立
      1. 設立定款の作成と提出
        設立発起人(18歳以上の自然人1人以上で、非居住者も可能です)が署名した設立定款(Certificate of Incorporation)をファックスまたは郵送で州務部に提出します。取締役は1名以上、最低資本金の規定はありません。
      2. 銀行口座の開設
        金融機関によっては設立証明書や定款の写しなどを要求されることがあります。必要な書類を確認し、指定の申請様式で州政府に発行を依頼します。
      3. ビジネスライセンス等の取得
        同州でビジネスを行う企業は同州歳入局(Delaware Division of Revenue)からビジネスライセンスを取得する必要があります。会社の形態、ビジネスを行う州内の郡や市によって、他のビジネスライセンスの取得や企業登録が必要な場合があります。ライセンス取得に関する費用や詳細については文末の「ビジネスライセンスに関する情報」を参照ください。
      4. 年次報告書の提出
        会社設立年の翌年6月30日までに年次報告書(Annual Report)を提出する必要があります(提出料は125ドル)。期限を過ぎた場合、罰金が課せられます。
    2. 支店の設立
      外国法人または州外法人(Foreign Corporation)の子会社を設立するには、州務部に登録する必要があります。登録申請には以下の書類を提出します(登録手数料は245ドル)。
      1. 所定の申請様式(「Foreign Corporation(支店)登録申請フォーム」)
      2. 発行6カ月以内の日本の登記事項証明書(原文およびその英訳)、または米国本社所在州で発行された企業の設立証明書
  4. 会社設立に要する費用
    設立申請の基本料金は89ドルです。ただし、発行株式の額面額合計が一定以上の場合、追加料金が発生します。また、追加料金を支払って会社設立手続きを通常より早く進めることもできます。各種費用は文末の「申請料金一覧」を参照ください。通常、こうした登録手続きは弁護士や代理人(Registered Agent)に依頼します。あらかじめ要する期間や費用を確認することをお勧めします。

III. 税務に関する手続き

  1. 連邦雇用主証明番号(Employer Identification Number:EIN)の取得申請
    内国歳入庁(Internal Revenue Service:IRS)にフォームSS-4を提出しEINの取得を申請します。会社の責任者のソ−シャル・セキュリティ・ナンバー(Social Security Number:SSN、米国個人Tax ID番号)が必要です。SSNを取得していない場合は、SSNに代わる個人納税者番号(Individual Tax Identification Number:ITIN)を取得する必要があります。ITINを取得するにはIRSにフォームW-7を提出します。フォームはIRSのウェブサイトで入手できます。申請はオンラインまたは郵送で行います。
  2. BE-605(初期投資に伴う報告義務)またはBE-605提出免除書類の提出
    海外企業は米国での投資活動をフォームBE-605で米国商務省経済分析局(Bureau of Economic Analysis:BEA)に報告する義務があります。詳細はBEAのウェブサイトを参照ください。

IV. 税制(主な州税)

  1. フランチャイズ税(Franchise Tax)
    同州で設立された法人は、法人登録維持のために毎年フランチャイズ税を支払う必要があります。会計年度(締め日は12月31日)終了の翌年3月1日までに、所定のフランチャイズ税を納めなければなりません。通常、11月中にフランチャイズ税の支払い通知「Franchise Tax Notification」が法人の登録代理人住所に送付されます。税額は登録された会社の形態により異なり、最低175ドル、最高20万ドルです。支払いはオンラインで行わなければなりません。詳細は参考資料・情報の「How to Calculate Franchise Taxes」を参照ください。
  2. 州法人税(Income Tax)
    同州で実際にビジネスを行っている企業に州法人税が課されます。同州会社法に基づいて設立された企業のうち、同州内でビジネスを行っていない企業は同州法人税を納める必要はありません。同州の法人税は連邦税の課税対象額(Federal taxable income)の8.7%です。
  3. 事業税(Gross Receipt Tax)
    同州では、売上税(Sales Tax)の代わりに事業税があります。事業税は、同州内で販売または提供された製品およびサービスに対して課税されるもので、売り手が納めます。事業の種類によって課税率は異なります。その他の州税、連邦法人所得税の詳細については文末のウェブサイトを参照ください。

V. 投資優遇措置

各種優遇措置があります。詳細は文末の「投資優遇税制概要」を参照ください。

関係機関

デラウェア州政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
内国歳入庁(IRS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

デラウェア州政府:
デラウェア州会社法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

参考資料・情報

ジェトロ:
米国における事業進出マニュアル
デラウェア州法人部:
How to Forn a New Buisiness Entity外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
登録代理人一覧リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
各種申請フォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
申請料金一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
How to Calculate Franchise Taxes外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国税制外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
デラウェア州歳入局:
ビジネスライセンスに関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ビジネスライセンスに関する情報2外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
米国商務省経済分析局(BEA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
州税に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
デラウェア州政府:
投資優遇税制概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
FindLaw:
弁護士の検索外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

調査時点:2013年11月
最終更新:2019年9月

記事番号: J-010008

ご質問・お問い合わせ

記載内容に関するお問い合わせ

貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。