増値税の納税義務者:中国

中国の増値税の納税義務者について教えてください。

増値税は物品の販売、役務の提供、海外からモノを輸入する際に発生する税金の一種です。中国国内で商品を販売、加工、修理補修を行うまたは輸入を行う法人あるいは個人が納税義務者です。

I. 増値税の納付義務者と税率

  1. 納税義務者
    中国国内で商品を販売、加工・修理補修の役務を行う、または商品の輸入を行う単位(会社や団体)あるいは個人(個人経営の企業)が納税義務者です。増値税暫定施行条例に基づいて納税しなければならないと明記されています(「増値税暫定施行条例」第1条)。
  2. 税率
    増値税の税率は17%です。ただし、国家統制的な生活基盤商品などの食糧・大豆など油脂類、水道、石油ガス、また農業関連の肥料や農薬など一部品目は13%です(「増値税暫定施行条例」第2条)。

II. 商品を輸出する場合

中国から海外にモノを輸出する際、増値税はゼロと規定されています(「増値税暫定施行条例」の第2条第(3)項)。

III. 小規模納税者について

前述の納税者は一般納税者と呼ばれますが、一方で小規模納税者も存在し、納税条件等が異なり注意が必要です。小規模納税者は仕入控除が認められていません。

  1. 小規模納税義務者の定義
    1. 物品生産または課税役務提供に従事する納税者、および物品生産または課税役務提供への従事を主として、物品の卸売りまたは小売りを兼業する納税者で、年間の増値税の課税売上高が50万元以下の場合
      (「物品生産または課税役務提供への従事を主とする」とは、納税者の年間の物品生産または課税役務提供の売上高の年間課税売上高に占める比率が50%以上の場合を指します)。
    2. 上記以外の納税者で、年間課税売上高が80万元以下の場合(「増値税暫定施行条例実施細則」第28条)
  2. 小規模納税義務者の税率
    小規模納税義務者に対する増値税率は3%です(「増値税暫定施行条例」第12条)。一般納税者(17%)に対し低い税率が定められていますが、前述のとおり小規模納税者は仕入控除が認められていないため、税負担が一般納税者より大きくなる場合があります。

IV. 営改増について

2016年5月1日より、中国で営業税から増値税への徴税変更(以下「営改増」という)を実施しました。

営改増についての具体的な内容は文末の「営業税から増値税への徴税変更にかかわる試験の全面的な実施に関する通知」または、ジェトロ貿易・投資相談Q&A「営業税から増値税への移行に伴う留意点」をご参照ください。

関係機関

中国国家税務総局 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

中国中央人民政府:
増値税暫定条例(国務院令第538号、2009年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
増値税暫定条例実施細則(財政部、国家税務総局令第50号、2009年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「増値税の一般納税者の資格認定の管理方法について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「営業税から増値税への徴税変更にかかわる試験の全面的な実施に関する通知」(財税2016年第36号、2016年5月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

税務総局:
税務総局通告「全国における交通運輸業および一部の現代サービス業の営業税から増値税への徴収変更試行を展開することに関する通知」
財税(2013)第37号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016/11

記事番号: A-090916

ご質問・お問い合わせ

記載内容に関するお問い合わせ

貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。