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営業税から増値税への移行に伴う留意点:中国

質問

営業税から増値税への移行に伴う留意点を教えてください。

回答

中国では従来、サービス業に対し営業税を徴収していました。2012年1⽉よりサービス業に対する営業税を増値税に変更する「営改増」が⾏われました。これまで建設業、不動産業、⾦融業、⽣活サービス業の4業種はこの営改増の対象外としていましたが、試験期間を経て2016年5⽉1⽇より、これら4業種も営改増の対象となりました。

I. 税率

増値税の税率は、以下の1、2、3を除いて、6%です。詳細は巻末の「営業税から増値税への徴税変更にかかわる試験の全⾯的な実施に関する通知」(財税2016年第36号、2016年5⽉1⽇施⾏)に記載されています。また、財政部および国家税務総局は2018年4月4日付で「増値税税率の調整にかかる通達」(財税[2018]32号、2018年5⽉1⽇施⾏)を公布し、同通達によって増値税の税率17%が16%へ、さらに11%が10%へと引き下げられました。なお、2019年3月の全人代(全国人民代表大会)政府活動報告において、李克強首相は製造業などの業種の増値税率を16%から13%に、交通運輸業や建築業などの業種の増値税率を10%から9%に引き下げると発表しました(現行6%となっている業種の増値税率は据え置き)。

  1. 交通・運輸、郵便、基礎電信、建設、不動産賃貸、不動産販売、⼟地使⽤権の譲渡にかかわる税率は10%。
  2. 有形動産リースサービス業の税率は16%
  3. 中国国内の企業もしくは個⼈が⾏うクロスボーダー取引にかかわる税率はゼロ。
  4. 農産品は適用される増値税の税率が従来の11%から10%となりました。生産販売あるいは委託加工目的で購入された農産品は、10%の税率で仕入増値税を控除できるほか、更に2%の仕入増値税を計算で控除できます。

II. 営改増の施行後の企業の税負担

営改増の施⾏により、企業によって税負担が軽減される場合と増加する場合があります。増値税専⽤発票によって、増値税が還付され実質ゼロになることもあります。

  1. 企業の税負担が軽減される例
    従来の営業税は売上に対して課税されていましたが、営改増後の増値税は利益(売上-仕⼊額)に対して課税されるため、多くの企業の税負担が軽減されます。
    1. 営改増移⾏企業の当期外部購⼊商品および固定資産の仕⼊税額控除後の実際の納付税額
      減税効果は企業ごとに仕⼊れ税額控除ができるものがどれだけあるかで変わり、控除できる増値税が多いほど減税効果が⾼くなります。例として、ホテルの全体売上に対するその企業の負担⽐率が、⽔道料⾦等諸費⽤の仕⼊税額の控除によって、6.9%から4.5%に軽減されるケース等があります。ホテルの業務は多岐に渡り、業務によって税⽬および増値税率も違うため、仕⼊税額控除も⼀定ではありません。
    2. 国際運輸サービスおよび研究開発設計サービス
      ゼロ税率が適⽤されます。売上に係る税率がゼロとなり、仕⼊に係る増値税額が控除されます。
    3. 技術譲渡、技術コンサルティング、鑑定コンサルティング、エネルギー管理契約等のサービス貿易輸出
      bと同様に、ゼロ税率が適用されます。
  2. 企業の税負担が増加する例
    1. 交通運輸業
      営改増の施⾏前に3%だった営業税が、施⾏後は10%の増値税(⼀般納税者)に増額します。交通運輸業は、関係企業が発⾏した増値税専⽤発票に基づき、増値税の控除申請ができます
      交通運輸業は⻑距離運輸業務を主要業務としています。そのため、設備購⼊以外では、燃料費および通⾏料が仕⼊税額の主たる発⽣源となります。しかし、全国で控除基準に合致する増値税専⽤発票を発⾏できる料⾦所またはガソリンスタンドは限られているのが現状です。また、⾼速道路システムは営改増体系に組み⼊れられていないため、企業には増値税専⽤発票による控除⾯で⼤きな混乱が⽣じており、結果として、企業の税負担増加をもたらしています。
    2. 各種サービス業、情報技術サービス業、文化創作サービス業、鑑定コンサルティングサービス業
      上記の各種サービス業は、従来の営業税5%から増値税に変更後は6%(⼀般納税者)に増額します。増額の例として、税理⼠事務所が挙げられます。営改増の施⾏前に税率5%の営業税を納付していましたが、変更後は増値税6%(⼀般納税者)を納付することになります。かかる税率の増加により、仕入れ税額が少ない場合、税理⼠事務所の実際の税負担は、営改増前と比べて重くなります。

関係機関

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中国財政部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

中国国家税務総局:
全国における営業税から増値税への徴税変更試行地の展開に関する徴収管理問題についての公告(国家税務総局公告2013年第39号、2013年8月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「営業税から増値税への徴税変更にかかわる試験の全面的な実施に関する通知」(財税2016年第36号、2016年5月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(営業税から増値税への徴税変更にかかわる試験の実施方法)
「増値税税率の調整にかかる通達」(財税[2018]32号、2018年5⽉1⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017年3月
最終更新:2019年9月

記事番号: C-131204

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