衣料品の現地輸入規則および留意点:インドネシア向け輸出
質問
インドネシア向けに衣料品を輸出する際の現地輸入規則、および留意点について教えてください。
回答
Ⅰ. 輸入できる衣料品の品目
衣料品をインドネシアに輸出する場合には、特定製品の輸入に関する2025年6月30日付商業大臣規則2025年第17号の規定を満たす必要があります。
商業大臣規則2025年第17号の付表Iは、輸入制限の対象となる特定の商品を掲載しています。
なお、付表Ⅰ以外の各付表は、以下を規定しています。
- 付表Ⅱ 有効な事業基本番号(NIB)を輸入業者番号(API)として保有していない輸入業者による事業活動を目的としない輸入
- 付表Ⅲ 輸入業者番号(API)として使用できる事業基本番号(NIB)を保有する輸入業者による事業活動を目的としない輸入
- 付表Ⅳ 輸入業者番号(API)として使用できる事業基本番号(NIB)を保有する輸入業者による事業活動を目的とする輸入
- 付表Ⅴ 関税地域、自由貿易地域、自由港、特別経済地域、保税蔵置場から、関税地域内の場所への輸入する無償品および/または市場テスト目的の繊維および繊維製品の輸入
同規則付表Iにはインドネシアに輸入できる衣料品リストとして、
Ⅱ:織物および織物製品 バティックおよびバティックモチーフ (HSコード62類)
Ⅳ:完成品衣服とアクセサリー (同61類、62類、65類)
が、掲載されています。
輸入承認(PI)と船積み前検査(LS)を条件として輸入が認められます。尚、輸入承認(PI) 取得には、工業省の技術診断書(Pertek)が必要です。
輸入港は、以下に限定されています。
-
Ⅱ:織物および織物製品 バティックおよびバティックモチーフ
- 海洋港:ブラワン港(北スマトラ州メダン)、タンジュンペラック港(東ジャワ州スラバヤ)、スカルノハッタ港(南スラウェシ州マッカサル)
- 空港:スカルノハッタ空港(ジャカルタ)
-
Ⅳ:完成品衣服とアクセサリー
- 海洋港:ブラワン港(北スマトラ州メダン)、タンジュンプリオク港(ジャカルタ)、 ニュー・プリオク港(ジャカルタ)、タンジュンウマス港(中部ジャワ州スマラン)、タンジュンペラック港(東ジャワ州スラバヤ)、スカルノハッタ港(南スラウェシ州マカッサル)、クルエンゲウク港(北アチェ州)、ビトゥン港(北スラウェシ州)、メラク・マス(バンテン州チレゴン)
- 陸上港:チカラン・ドライポート
- 空港:クアラナム空港(北スマトラ州メダン)、スカルノハッタ空港(ジャカルタ)、アフマッドヤニ空港(中部ジャワ州スマラン)、ジュアンダ空港(東ジャワ州スラバヤ)、ハサヌディン空港(南スラウェシ州マカッサル)
Ⅱ. 輸入業者
商業大臣規則2025年第17号では、一般輸入業者登録番号(API-U)を有する会社は、付表I 中の[IV: 完成品衣服とアクセサリー]掲載のHSコード全品を輸入可能とする一方、製造輸入業者登録番号(API-P)を有する会社は、HSコード: 6117.80.90; 6212.10.99; 6212.90.19; 6212.90.99; 6217.10.90 (輸入承認、船積み前検査の条件付き)、及び、HSコード: 6203.31.00; 6203.41.00;6211.43.60 (船積み前検査の条件付き)に限り、輸入が認められています。
また、付表I中の [Ⅱ:織物および織物製品 バティックおよびバティックモチーフ]は、一般輸入業者登録番号(API-U)を有する会社と製造輸入業者登録番号(API-P)を有する会社とも、輸入承認と船積み前検査の条件付きで輸入が認められています。
Ⅲ. 船積み前検査
船積み前検査は、政府系検査会社であるKerja Sama Operasi Sucofindo-Surveyor Indonesia(KSO SCISI)社が担当しています。尚、日本では、文末に記載の検査機関がKSO SCISIの代行検査機関として関わっています。
船積み前検査の主な流れは以下の通りです。
- 有効な輸入業者登録(API)を持つ輸入者により、KSO SCISIに輸入貨物の検査を申請。
- KSO SCISIは輸入者からの申請受理後、輸出国の指定検査会社を通じ、船積み前検査を手配。
- 輸出国の指定検査会社は輸出者に検査依頼書(Request for Information: RFI)を送信。
- 輸出者は指定検査会社宛てに必要書類と併せて返送。
- 当該検査会社による検査の実施および船積書類の確認後、輸入通関に必要なサーベイヤーレポート(Laporan Surveyor: LS)を輸入者に発行。
Ⅳ. 表示にかかわる規制
商業についての2021年2月1日付政令2021年第29号は、国内で売買される商品にインドネシア語のラベル表示をするよう義務付けており、繊維・繊維製品26種類も対象となっています。
※貿易投資相談Q&Aの「ラベル表示」:インドネシアをご覧ください。
関係機関
-
KSO Sucofindo-Surveyor Indonesia (SCISI)
-
SGSジャパン株式会社(SGS)
-
コテクナ・インスペクション・ジャパン株式会社(COTECNA)
-
ビューローベリタス ジャパン株式会社(BUREAU VERITAS)
-
インターテックテスティングサーヴィセスジャパン株式会社(INTERTEK)
※上記機関は、本記事作成にあたり収集した情報にもとづき例示したものですが、ジェトロが利用を推奨するものではありません。各機関にはお客様から直接ご連絡をお願いします。
関係法令
参考資料・情報
- ジェトロ 貿易・投資相談Q&A:
-
ラベル表示:インドネシア
調査時点:2016年12月
最新更新:2025年8月
記事番号: A-041120
ご質問・お問い合わせ
記載内容に関するお問い合わせ
貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。