化粧品の現地輸入規則および留意点:インドネシア向け輸出

質問

インドネシアに化粧品を輸出します。現地での輸入規則と輸出者として留意すべき事項を教えてください。

回答

ASEAN加盟各国は、2003年9月の経済閣僚会議で化粧品の管理・規制に関する統一規則の枠組み(ASEAN Harmonized Cosmetic Regulatory Scheme)に署名し、化粧品登録認証の相互承認協定締結と、化粧品の管理に関する統一規則、ASEAN化粧品指令(ASEAN Cosmetic Directive: ACD)が導入され、加盟各国はACDに沿って国内法を整備し、実行することが義務付けられました。インドネシアでは、2010年以降に国内法令が改訂され、概ねACDに沿った内容となっています。

I. 輸入、販売許可手続き

  1. 通関、輸入、流通許可申請時の必要書類、手続き(輸入ライセンス取得など)

    化粧品販売のための流通許可は、2010年8月20日付保健大臣規則第1176号(No.1176/MENKES/PER/VIII/2010)により、インドネシア国家食品医薬品監督庁(BPOM)長官への届出(Notification)制になりました。具体的には、輸入業者登録番号(API)として有効な事業基本番号(NIB)を取得した輸入業者が、輸入する化粧品の製造者から代理店指名をされており、当該化粧品の品質、安全性および効用に関する製品情報書類(DIP、2017年9月11日付BPOM規則2017年第14号に作成指針があります)を所持し、BPOMに流通許可申請者として登録をした後に、BPOM長官から流通許可の申請を受諾された場合は、当該製品を輸入することができます。BPOMは、申請を受諾しない場合、申請から14日以内に申請者に通知をしなければなりませんが、通知がない場合は受諾されたものとみなされます。この届出は3年間有効です(2020年6月24日付BPOM規則2020年第12号)。

    2022年11月14日付BPOM規則2022年第27号(2023年11月3日付BPOM規則2023年第28号で変更)および2023年12月6日付財務大臣決定2023年第38号(No.38/KM.4/2023)により、化粧品33品目(HS 3303、3304、3305、3306、3307、3401、3808番台)の輸入は船積みごとに、BPOM長官から国内への搬入許可を取得しなければなりません。これは輸入証明書(SKI)の形で発行されます。流通許可の承認書、分析証明、インボイス、BPOMへの手数料(PNBP)支払い証明等を添付して、BPOMへオンライン申請します。輸入化粧品は保存期間を全体の最低1/3残していなければなりません。

    また、商業省は2023年12月11日付商業大臣規則2023年第36号の付表Iにて、化粧品38品目(HS 3304、3305、3306、3307、3401番台)の輸入は原則、一般輸入業者登録番号(API-U)として有効なNIBを有する事業者が商業省から輸入承認を取得した後に輸入可としています。輸入承認は商品収支に基づき発行されますが、商品収支が未決定の間は工業省の審査報告、推薦状または技術見解に基づき発行されることになっています。船積み前検査も義務付けられました。また、輸入港は次に限定されています。

    陸上港:チカラン・ドライポート(西ジャワ州ブカシ)
    海洋港:ブラワン港(北スマトラ州メダン)、タンジュンプリオク港とニュープリオク港(ジャカルタ)、タンジュンウマス港(中部ジャワ州スマラン)、タンジュンペラック港(東ジャワ州スラバヤ)、スカルノハッタ港(南スラウェシ州マカッサル)、ビトゥン港(北スラウェシ州ビトゥン)、メラックマス港(バンテン州チレゴン)
    空港:クアラナム空港(北スマトラ州メダン)、スカルノハッタ空港(ジャカルタ)、アフマッドヤニ空港(中部ジャワ州スマラン)、ジュアンダ空港(東ジャワ州スラバヤ)、ハサヌディン空港(南スラウェシ州マカッサル)

  2. 販売時の規制(安全基準、表示、ラベル)成分規制

    化粧品は安全性と効用の条件を満たしており、そのことが科学的な試験等で証明されていなければなりません。特に化粧品の原料について、条件付き使用認可原料は205品目(2019年8月22日付BPOM規則2019年第23号の付表I)、使用認可色材は158品目(同付表II)、使用認可保存料は56品目(同付表III)、使用認可紫外線防止剤は30品目(同付表IV)、使用禁止原料は1,375品目(同付表V)となっています。
    また、化粧品の重金属や細菌汚染についても、2011年7月12日付BPOM長官規則No.HK.03.1.23.07.11.6662(2014年12月19日付BPOM長官規則2014年第17号で変更)にて、その上限値が決められています。

    化粧品の表示義務については、2020年12月28日付BPOM規則2020年第30号により、少なくとも以下の事項を、外箱や容器など読みやすい場所に、わかりやすく、消えにくい形で表示することが義務付けられています。

    1. 化粧品名
    2. 効用/効能
    3. 使用方法
    4. 原料名(INCI名、含有度の大きいものから順に)
    5. 製造者国名
    6. 流通許可届出(Notification)申請者の名称と住所
    7. バッチ番号
    8. サイズ、内容量
    9. 使用有効期限(日・月・年または月・年)
    10. 流通許可届出(Notification)番号
    11. 二次元バーコード
    12. 警告・注意書き、その他の説明

    うち、b、c、lはインドネシア語での表示が義務付けられています。
    このほか、表示が認められる、あるいは認められない強調表示については、2022年1月7日付BPOM規則2022年第3号の付表に示されています。

    また、化粧品は、インドネシア化粧品コーデックスやその他の基準に記載された品質条件も満たしていなければなりません。

II. 輸入関税、その他税率

  1. 輸入化粧品の関税率は、CIF価格に対し10%/15%です。しかし、日本・インドネシア経済連携協定(IJEPA)に基づく原産地規則を満たせば、同協定の譲許表に定める関税が適用されます。このEPA税率は2008年7月1日より順次引き下げが行われており、税率は2013年からは0%になりました。
  2. 上記輸入関税に加えて、付加価値税(VAT)11%(2025年1月1日から12%)が課せられます。一方、香水にかけられていた奢侈品販売税20%は、2015年年央以降課税されなくなりました〔2015年6月8日付財務大臣規則第106号(No.106/PMK.011/2015、2015年11月20日付財務大臣規則第206号(No.206/PMK.010/2015)で変更)〕。
  3. また、輸入には前払い所得税(PPh-22)も課されます。APIとして有効なNIBを有している企業には(CIF+関税)価格の2.5%/10%が、輸入申告前に徴収されます。これは法人税の年次申告時に法人税と相殺することができます。

III. その他輸出時の注意事項

  1. 日本国内で流通している製品をそのまま輸出するのであれば、特別な手続きは必要ありません。しかし、現地仕様に変更したもの(表示も含む)を輸出しようとする場合は、輸出用化粧品(製造・輸入)届書を提出する必要があります。
  2. 化粧品も安全保障貿易管理上のキャッチオール規制対象品目です。
  3. 2019年10月17日付宗教大臣規則2019年第26号によると、化粧品は2026年10月18日以降、イスラム法に則した製品であることを意味するハラール認証の取得が義務化されます。これに向けて、化粧品のハラール認証取得の動きが盛んです。

詳細は、貿易・投資相談Q&A「化粧品を輸出する際の注意事項」を参照してください。

関係機関

関係法令

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参考資料・情報

ジェトロ:
世界各国の関税率
日本・インドネシア経済連携協定

調査時点:2024年2月
最終更新:2024年3月

記事番号: A-030106

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