食品加工機械の現地輸入規則と留意点:米国向け輸出

質問

米国へ食品加工機械を輸出する際の現地輸入規則と留意点について教えてください。

回答

米国では食品加工機械の輸入に対する特別な規制はありませんが、米国の規格や基準に合致していることが求められます。具体的には、電気設備・電気部品などはUL規格で認証されている製品・部品を使用し、機械全体としては米国の労働安全衛生法(Occupational Safety and Health Act: OSHA)や安全基準、製造物責任(Product Liability: PL)を満たしていることが必要です。

I. 規格について

  1. UL規格
    民間の安全検査機関Underwriters Laboratories Inc.が定める米国で最も信頼されている規格の一つです。電気設備のほか、材料、空調、危険防止などの分野で広く採用されています。
    検査機関に安全検査を依頼し、UL認証を得ることはできますが、機械の一部として使う電気製品・部品などはUL認証済みの製品を調達することが多いようです。UL規格に関する詳細は、ジェトロ貿易・投資相談Q&A「UL規格の概要: 米国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。
  2. PL対策
    機械の安全基準で特に注意を要するのは、PL対策です。詳細は、ジェトロ貿易・投資相談Q&A「輸出時におけるPL法の対策・留意点: 米国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。

II. 食品関連の規格について

食品加工用の機械に関するものとしては、機械が食品に触れる部分の材質に関する米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration: FDA)の規定、食品機械に関する米国規格協会(American National Standards Institute: ANSI)の規定や機械類製品安全に関する国際規格ISO、HACCPなどがあります。

ANSIは、工業分野の各種規格を開発、策定する米国の団体です。ANSIから認定を受けているNSFが作成した食品機器の規格として、NSF/ANSI2(Food Equipment)があります。

その他、米国の食品供給者団体や酪農食品協会などを中心に組織された非営利団体3-A Sanitary Standardsが自主的に作成している機器・機械の衛生基準である3A規格、ISO基準の中のISO12100 などもあり、輸出する食品加工機械の種類に応じて、関連する規格の内容を確認しておく必要があります。

具体的にどの規定を考慮すべきかは、輸出する機械の材質・規格などを米国側の輸入業者に示して、輸出者側で準備すべきことを確認してください。

参考資料・情報

ジェトロ貿易・投資相談Q&A:
「UL規格の概要: 米国」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「輸出時におけるPL法の対策・留意点: 米国」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
NSF:
Food Equipment Sanitation Certification外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ISO:
ISO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
関連機関:
NSF Japan株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016/09
最終更新:2023/05

記事番号: A-010747

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