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駐在員事務所の現地法人化/支店化の選択とその留意点:インド

インド(ニューデリー、チェンナイ、ムンバイ)の駐在員事務所を現地法人または支店化することを考えていますが、どのような点に注意したらよいでしょうか。

I. 現地法人(内国法人)と支店(外国法人)との比較

  1. 現地法人(内国法人)へ転換する場合
    現地法人は、会社設立許可取得時に特別条件(例えば、部品を一定量インド国内で調達する義務、生産物の一定割合を輸出する義務など)が付されていなければ、現地資本のインド会社と同様に国内取引も含む生産・販売に関するあらゆる経済活動が可能です。限られた経済活動しかできない支店に比べ、大きなメリットがあります。加えて法人税が支店より低いというメリットもあります(法人税30%プラス課徴金5.0%および教育目的税3%:実効税率32.445%)。他方デメリットとして考えられるのは、現地法人の場合、外国資本の出資比率の上限が業種により26%、49%、51%、74%、100%と規定されていること、および支店と比べて撤退が困難なことです。
  2. 支店(外国法人)へ転換する場合
    他の資本が入らないので本社の管理が行き届くこと、撤退が比較的容易なことがメリットです。他方デメリットは、現地生産ができない、国内取引が規制されているなど、活動範囲が極めて限定されていることです。認可されている活動の主体は、以下になります。
    1. 輸出入業務
    2. 専門的な業務、またはコンサルティングサービス
    3. 親会社の代理店業務
    4. ITサービスおよびソフト開発業務
    5. 研究業務
    6. 親会社またはグループ会社が供給する製品の技術支援
    7. インドの会社と親会社の間の技術または財務協力の推進
    8. 外国の航空会社または船会社

    製造活動は許されていませんが、インド企業からの物品購入は可能です。法人税が現地法人に比較し割高であることもデメリットです(法人税40%プラス課徴金2.0%および教育目的税3%:実効税率42.024%)。

    なお、実務的には駐在員事務所から現地法人または支店へ転換する際は、駐在員事務所を閉めることは容易ではありません。よって、現地法人または支店を設立しても、暫くの間は駐在員事務所を併立させておくケースが多いです。

II. 現地法人設立の注意点

現地法人を設立するとき、業種により制度上出資比率の上限が規定されているため、合弁事業とせざるをえない場合は、細心の注意が必要です。注意点は以下のとおりです。

  1. パートナーの選定が最重要課題です。パートナーは無論一定の財務基盤をもっていることが必要ですが、会社の規模だけで判断することは避けるべきです。インド企業は日本と比べてオーナー経営的色彩が濃いので、長期的な観点から経営者の資質・人柄も重視してください。
  2. インドは契約社会ですから、合弁相手との契約条件には充分な注意をはらうことが肝要です。その意味から現地の優秀な弁護士の選定が重要です。弁護士は法廷で陳述ができるBarrister (法廷弁護士)と陳述できないSolicitor(事務弁護士)に分かれます。一般的にはBarristerが交渉能力を持っています。ただ細かいサービスはSolicitor向きなので両者をうまく使い分けることも一案です。
  3. 最近急速に自由化されていますが、まだ官僚主導の色彩が濃く残っています。インド商工省産業認可事業局(SIA: Secretariat for Industrial Assistance)が合弁会社に対し発行する認可状は、両当事者間の契約の一部とみなされますので注意が必要です。
  4. 会社法では少数株主を保護するため、広範囲な事項が特別決議(Special Resolution)の対象となっています。すなわち、増資、資本構成再編、基本約款(MOA: Memorandum of Association)・付属定款(AOA: Article of Association)の変更、新規事業の開始、社名変更、融資提供、他社への信用・保証の供与、会社の解散等です。メジャー出資の場合は4分の3超の出資比率で経営権を確保、マイナー出資の場合は4分の1超の出資比率で特別決議事項に対して拒否権を確保することが基本的な出資の考え方となります。

インド政府は外国人投資の自由化を進めており、自動承認業種における100%出資可能な業種も増加していますので、業種ごとの最近の情報を入手してください。関連情報としては、下記のジェトロ 「インド投資ガイド2010」を参照ください。

関係機関

インド大使館(TEL 03-3262-2391)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
インド貿易振興局(ITPO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
インド商工省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
インド連邦銀行(RBI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連情報

ジェトロ:
インド投資ガイド2010

インド商工省:
India FDI Policy Circular 2 of 2011外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016/11

記事番号: A-001053

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