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一般特恵関税制度(GSP):日本

質問

一般特恵関税制度(GSP)とは何ですか。

回答

一般特恵関税制度(Generalized System of Preferences: GSP)とは、開発途上国・地域を原産地とする鉱工業産品および農水産品の輸入については、一般の関税率よりも低い税率を適用することにより、開発途上国・地域の輸出所得の増大、工業化の促進と経済発展を支援するという先進国による国際的途上国支援制度のことです。わが国は1971年から同制度の適用を開始し、現行法の下では、2021年3月31日までの適用が定められています。わが国は、2017年4月1日現在、135カ国5地域を特恵受益国・地域として指定し、このうちさらに47カ国・地域を特別特恵受益国・地域に指定しています。

I. 特恵受益国からの輸入の場合(一般特恵関税)

  1. 農水産品(HSコード:第1類から24類まで)
    有税品約1,900品目中約400品目を特に掲げて(関税暫定措置法別表第2)、個々の品目ごとに基本税率より5~100%の引き下げを行っています(限度枠はありません)。特恵停止方法としてエスケープ・クローズ方式(ある品目について、特恵輸入が増加し、国内産業に損害を与えるなどの場合に、政令で特恵適用を停止)が決められていますが、これまでに発動したことはありません。
  2. 鉱工業産品(HSコード:第25類から76類までおよび第78類から97類まで)
    有税品約4,300品目中、国内産業の事情などから適用困難な「特恵関税例外品目」(別表第4、ネガティブ・リスト)、および「特別特恵関税例外品目」(別表第5)を除く、約3,150品目すべての特恵関税率(Preferential Rate of Duty)は、原則として、無税(Duty-free)無枠(Quota-free)ですが、例外として一部有税のもの(別表第3:一般税率の20、40、60、80%)があります。詳しくは、税関ウェブサイトや実行関税率表を参照ください。鉱工業産品の特恵停止方法は1.の場合と同様、エスケープ・クローズ方式です。
  3. 適用除外措置
    適用除外措置とは、特恵関税のメリットをより広い範囲の国・地域や品目に広げる為に、既に先進国並みに国際競争力を備えた国・地域や品目に対しては特恵関税の供与から除外するというもので、「卒業条項」とも言われます。高所得国に係る特恵適用除外措置(全面卒業および部分卒業)と全ての受益国を対象とした国別の品目別特恵適用除外措置に区分されます。平成29年4月1日より、ウルグアイ、セントクリストファー・ネーヴィス、チリの3カ国が特恵対象から除外されました。平成30年4月1日よりアンティグア・バーブーダ、セーシェルが特恵対象外となる予定です。

II. 特別特恵受益国からの輸入の場合(特別特恵関税)

特恵受益国のうち国連総会が決議した後発開発途上国(Least Developed Countries: LDC)で、わが国が政令により特別特恵受益国として指定する受益国(47カ国)を原産地とする産品については、「特別特恵関税例外品目」(関税暫定措置法・別表第5:農水産品約160品目、鉱工業品約50品目)以外の全ての農水産品・鉱工業産品(一般特恵関税対象品目中の無税品目を除く)に対して、一律無税(Duty-free)・無枠(Quota-free)の優遇措置が供与されます(ただし、エスケープ・クローズ方式による緊急停止措置適用の場合には、非特恵の一般実行税率適用となります)。

III.特恵措置を受ける為の条件

特恵関税の適用を受けるためには、特恵用原産地証明書(GSP FormA)(発給日から1年以内のもの)を税関に提出することが条件となります。また、直接わが国へ向けて運送されたこと(直送条件)が必要です。特恵受益国以外の国を経由して日本に輸入される場合には、輸入申告時に通し船荷証券(Through B/L)等の提示を求められることがあります。わが国の原産地の認定基準については、その国・地域で生産された完全生産品以外の場合には、実質的な変更(HS番号の「項」4桁の番号が変わる変更)が行われた加工または製造国・地域が原産国・地域と認定されます。また、累積原産品の原産地は当該品目の生産国で、かつわが国への輸出国・地域となっています。ただし、課税価格の総額が20万円以下の物品、特例申告貨物(提出せず5年間保管義務)については原産地証明書の提出は不要です。個別の商品の特恵関税適用の有無、税率等については実行関税率表を参照し、詳細は税関へお問い合わせください。

IV.特恵関税制度の見直し

なお、平成28年度に特恵関税制度の見直しが行われ、卒業に係る新要件が導入されたことにより、中国、タイ、マレーシア、ブラジル、メキシコの5ヵ国は2019年4月から全面卒業となる見込みです。

関係機関

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関係法令

法庫.com:
関税暫定措置法 第8条の2・3、関税暫定措置法施行令、関税定率法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

税関:
緊急特恵停止措置の運用基準(平成19年3月31日財務・農水・経産告示第1号)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(16KB)

参考資料・情報

税関:
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特恵原産地証明書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
経済連携協定(FTA/EPA)(関税・税関関係)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

外務省:
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ジェトロ:
日本の特恵関税の適用除外措置
貿易・投資相談Q&A
WTO協定税率を適用する際の原産地認定基準
原産地証明書の種類

調査時点:2011年8月
最終更新:2017年9月

記事番号: A-000926

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