日本からの輸出に関する制度

林産物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する林産物のHSコード

本ページで定義する林産物のHSコード

4401:のこくずおよび木くず(棒状、ブリケット状、ペレット状その他これらに類する形状に凝結させてあるかないかを問わない)、薪材ならびにチップ状または小片状の木材
4403:木材(粗のものに限るものとし、皮または辺材をはいであるかないかまたは粗く角にしてあるかないかを問わない)
4407:木材(縦にひきもしくは割り、平削りしまたは丸剥ぎしたもので、厚さが6ミリメートルを超えるものに限るものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない。)
4408:化粧ばり用単板(積層木材を平削りすることにより得られるものを含む)、合板用単板、これらに類する積層木材用単板およびその他の縦にひき、平削りしまたは丸はぎした木材(厚さが6ミリメートル以下のものに限るものとし、かんながけし、やすりがけし、はぎ合わせをし、または縦継ぎしたものであるかないかを問わない)
4409:さねはぎ加工、溝付けその他これらに類する加工をいずれかの縁、端または面に沿って連続的に施した木材(寄せ木床用のストリップまたはフリーズで組み立ててないものを含むものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない。)
4412:合板、ベニヤドパネルその他これらに類する積層木材

具体的な製品の内容により異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。

米国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年9月

これまで米国は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県単位での輸入停止措置を講じていましたが、2021年9月22日に撤廃され輸出が可能となりました。

すべての丸太、材木、その他の未加工の木材製品(樹皮の有無を問わず)は、アジアの東経60度以東、北回帰線以北の地域からは米国に持ち込めません。ただし、窯で乾燥させた材木や皮を剥いだ丸太で、中心部を含む木材の断面全体を摂氏71.1度に熱処理し、最低でも75分間保持したものは、書面による許可と処理の証明があれば米国内への持ち込みが認められます。

なお、絶滅危惧種の木材は、「絶滅危惧野生動植物種の国際取引に関する条約(CITES)」で定められた規制に該当します。これに該当する木材の場合は、事前に経済産業大臣からCITES輸出許可書などの発給を受ける必要がありますが、加工木材や合板は規制対象外となる場合もあるため、詳細は経済産業省のウェブサイトで確認してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年6月

輸出者側で施設登録などは必要ありません。

絶滅危惧種の木材を米国に輸出する場合、輸出国のワシントン条約代表機関(日本の場合は経済産業省)が発行した、製品が種の存続に悪影響を及ぼさないこと、および標本がその国の動植物の保護に関する法律に違反して入手されたものではないことを示す証明書が必要です。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年6月

米国に木材や木材製品を輸入する際には、植物検疫の許可が必要になる場合があります。

米国の製品関連の規制

1. 製品規格

調査時点:2021年6月

連邦規則集第15巻第10部に掲載されている手順に基づいて、米国商務省(DOC)が発行する自主製品規格(VPS)が策定されています。DOC自主製品規格の使用は任意です。針葉樹材については、米国針葉樹材規格(VPS PS20-20)があります。
また、木材製品については、米国国家規格協会(ANSI)の任意規格である木材製品規格ANSI A190.1-2017があります。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2021年6月

なし

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年6月

なし

4. 食品添加物

調査時点:2021年6月

なし

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年6月

なし

6. ラベル表示

調査時点:2021年6月

なし

7. その他

調査時点:2021年6月

なし


米国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年6月

1. 輸入許可について
林産物を管轄する機関は米国農務省(USDA)の動植物検査局(APHIS)であり、木材および木材製品の輸入に関する規則を定めています。米国に林産物を輸入するためには、APHISから輸入許可を得る必要があります。丸太、製材など木材製品を米国に輸入するためには、木材または木材製品の輸入許可の申請のためPPQ Form 585をAPHISに提出することが必要です。絶滅危惧野生動植物種の国際取引に関する条約(CITES)輸出許可証が必要となる木材または木材製品を米国に輸入する場合には、PPQ Form 585およびPPQ Form 621をAPHISに提出することが必要です。申請はすべてオンラインでできます。
また、輸入許可に加えて消毒が必要です。APHISは、木材や木材製品から外来の害虫や病気を取り除くため、米国に入る前に木材を熱処理(乾熱やキルンドライヤーなどの熱処理)または化学処理(臭化メチル燻蒸や表面に付着した殺虫剤で木材を燻蒸するなどの化学処理)することを要求しています。輸入許可証に、必要な処理の種類が明記されていますので対応が必要です。
なお、輸入許可は米国内に有効な住所を有する企業からのみ申請可能であり、国外企業からの輸入許可申請はできません。輸入許可を得るには申請から30日程の時間がかかることに注意が必要です。
2. 絶滅危惧野生動植物種の国際取引に関する条約(CITES)について
CITES規制に該当する木材を輸入する場合は、次の許可書・証明書が必要です。
  • USDA 発行の一般許可書(2年間有効)
  • 輸出国のワシントン条約代表機関(日本の場合は経済産業省)が発行した、製品が種の存続に悪影響を及ぼさないこと、および標本がその国の動植物の保護に関する法律に違反して入手されたものではないことを示す証明書
  • 米国内のワシントン条約代表機関が発行する証明書

さらに、当該木材は、ワシントン条約に登録された種を受け入れることが認可された米国の入国港に到着する必要があります。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年6月

改正されたLacey Act(レイシー法: 16 U.S.C. 3371)では、一部の限定的な例外を除き、米国、米国の州、または外国の法律に違反して採取または取引された植物を、州間または外国間の商取引において輸入、輸出、輸送、販売、受領、取得、または購入することを違法としています。2009年以降、米国農務省(USDA)動植物衛生検査局(APHIS)は、Lacey Actによる申告を段階的に義務付けています。 APHISのLacey Actプログラムのウェブサイトでは、Lacey Actの申告が必要な製品が、HTS(Harmonized Tariff Schedule)の章や見出しごとにリストアップされています。林産物に関しては、HSコード 4401、4403、4407、4408、4409については2009年4月1日から、HSコード4412については2009年10月1日から、申告対象となっています。

Lacey Actでは、輸入時に「植物および植物製品申告書PPQ Form 505」という輸入申告書を提出することが義務付けられています。輸入者または代行業者(例:通関業者)のみが、PPQ Form 505の申告書を電子的にまたは郵送で提出することができます。2008年のLacey Act改正により、輸入時に申告が必要になったことから、貨物が米国の管轄区域に到着した時点で申告が必要となります。

申告書の電子提出は、輸入者またはその代行業者により、以下のいずれかのシステムで行うことが可能です。

  • Automated Commercial Environment (ACE)
    米国税関・国境警備局(CBP)のACEシステムは、Lacey Act申告書を提出するための主要な方法であり、ACEポータルは、CBP、貿易担当者、および米国への商品輸入に関わる参加政府機関をつなぐ集中オンラインアクセスポイントを提供しています。このポータルを介して、APHISのLacey Act Programで要求される電子データを提出することができます。
  • Lacey Act Web Governance System(LAWGS)
    ACEでの電子申告を希望しない輸入業者および代行業者のためのAPHISのウェブベースのインターフェースであるLAWGSを通じてLacey Act申告書を提出することもできます。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年6月

USDAのAPHISが、輸入された木材・木材製品の検査を行います。APHISの検査場では、APHISの検査官や専門家が輸入された木材を検査し、米国の天然資源や農業に損害を与える可能性のある病気や害虫が付着していないことを確認します。さらに、木材が連邦規則による輸入許可要件や規制を順守していることを確認します。

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年6月

米国で林産物を販売するのに必要となる連邦政府が定める免許や登録はありませんが、一般的に有形固定資産の販売には、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

5. その他

調査時点:2021年6月

なし

米国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年6月

米国に輸入される林産物は、関税の対象となります。林産物に課せられる関税は品目によって異なります。関税表は、米国国際貿易委員会(USITC)が管理しています。

表:林産物の関税率
HSコード 税率
4401:
のこくずおよび木くず(棒状、ブリケット状、ペレット状その他これらに類する形状に凝結させてあるかないかを問わない)、薪材ならびにチップ状または小片状の木材
0%
4403:
木材(粗のものに限るものとし、皮または辺材をはいであるかないかまたは粗く角にしてあるかないかを問わない)
0%
4407:
木材(縦にひきもしくは割り、平削りしまたは丸剥ぎしたもので、厚さが6ミリメートルを超えるものに限るものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない。)
0%
4408:
化粧ばり用単板(積層木材を平削りすることにより得られるものを含む)、合板用単板、これらに類する積層木材用単板およびその他の縦にひき、平削りしまたは丸はぎした木材(厚さが6ミリメートル以下のものに限るものとし、かんながけし、やすりがけし、はぎ合わせをし、または縦継ぎしたものであるかないかを問わない)
0%
4409:
さねはぎ加工、溝付けその他これらに類する加工をいずれかの縁、端または面に沿って連続的に施した木材(寄せ木床用のストリップまたはフリーズで組み立ててないものを含むものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない。) )
0~4.9%
4412:
合板、ベニヤドパネルその他これらに類する積層木材
0~8%

2. その他の税

調査時点:2021年6月

州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率は異なるため、USITC、CBP、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。

3. その他

調査時点:2021年6月

商業貨物税関使用料、港湾維持料
輸入者は林産物の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464% で、最低27.23ドル、最高528.33ドルです。さらに、船便による輸入の場合には、輸入者は貨物価格の0.125% の港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)を納付する必要があります。これらは米国税関国境警備局(CBP)が徴収しています。

その他

調査時点:2021年6月

なし