イスラエルの貿易投資年報
要旨・ポイント
- 2025年の実質GDP成長率は2.9%と前年から加速。
- 輸出減少と輸入増加で貿易赤字は368億ドルに拡大。
- 対内直接投資は前年比77.6%増と大幅増加。大型M&Aが相次ぐ。
- 日本の対イスラエル輸出は9.3%減、輸入は15.8%増で貿易赤字拡大。
- 日本の対イスラエル投資は件数減少も、投資額は4年ぶりに増加。
公開日:2026年9月10日
マクロ経済
投資・輸出回復でGDP成長率加速
2025年のイスラエルの実質GDP成長率は2.9%となり、前年の1.0%から成長が加速した。2024年に大きく落ち込んだ投資や輸出が持ち直し、経済活動の正常化が進んだことが背景にある。
需要項目別に見ると、民間消費支出は前年比2.7%増となった。投資は大幅に改善し、総固定資本形成は8.3%増と前年の5.5%減からプラス成長に転じた。また、住宅建設投資も16.7%増となり、前年の17.4%減から大きく反発した。財・サービス輸出は5.5%増となり、前年の4.7%減から増加に転じた。ハイテクサービス輸出が堅調に推移したことに加え、2024年に落ち込んだ輸出需要の回復が寄与した。一方、国内需要の回復とともに供給制約を補うための輸入も増加し、財・サービス輸入は8.2%増となった。
| 項目 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年間 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | |||
| 実質GDP成長率 | 2.1 | 1.0 | 2.9 | 5.9 | △ 4.4 | 12.3 | 2.8 |
| 民間最終消費支出 | △ 0.6 | 3.9 | 2.7 | △ 2.0 | △ 6.8 | 20.9 | △ 4.6 |
| 政府最終消費支出 | 13.1 | 21.1 | 1.3 | △ 26.3 | 3.2 | 1.3 | 33.1 |
| 国内総固定資本形成 | △ 2.1 | △ 5.5 | 8.3 | 10.3 | △ 12.7 | 33.3 | △ 4.3 |
| 財・サービスの輸出 | △ 1.1 | △ 4.7 | 5.5 | △ 1.3 | △ 1.8 | 20.2 | 28.3 |
| 財・サービスの輸入 | △ 7.4 | △ 0.7 | 8.2 | 4.4 | 6.5 | 16.1 | 1.1 |
〔注〕四半期の伸び率は前年同期比。
〔出所〕イスラエル中央統計局(CBS)
労働市場では、予備役兵の動員継続やパレスチナ人労働者の不足による労働供給制約が続き、労働需要が高水準で推移した。労働需給が逼迫する状況が継続したことから、年平均失業率は前年と同じ3.0%となった。消費者物価指数(CPI)は、現地通貨のシェケル高による輸入物価の低下や金融引き締めの効果などを背景に、2024年12月の前年同月比3.2%から2025年12月には2.6%へ低下し、イスラエル中央銀行(以下、中銀)の目標範囲(1~3%)内に収まった。
中銀は、インフレ率が年間を通じて目標範囲の上限付近で推移し、労働供給制約や地政学的リスクが継続したことから、2025年の大半において政策金利を4.5%に据え置いた。その後、インフレ率の低下やインフレ期待の安定化に加え、2025年10月のガザ停戦を受けたリスクプレミアムの縮小を踏まえ、11月に政策金利を0.25ポイント引き下げて4.25%とした(2025年11月26日付ビジネス短信参照)。さらに2026年1月には4.0%へ追加利下げを実施した(2026年1月8日付ビジネス短信参照)。
2026年の実質GDP成長率について、中銀は2026年1月に5.2%と予測していたが、2月末に開始された対イラン軍事作戦やレバノン情勢の影響を踏まえ、3月には3.8%へ下方修正した(2026年4月2日付ビジネス短信参照)。
貿易
輸出減少と輸入増加で、貿易赤字は拡大
2025年の貿易(通関ベース)は、輸出が前年比3.9%減の587億8,600万ドル、輸入は4.4%増の955億7,800万ドルとなった。輸出減少と輸入増加により、貿易赤字は前年の304億ドルから368億ドルに拡大した。
輸出を品目別に見ると、構成比が最大の機械機器・電子機器・音響画像記録装置(31.4%)が前年比1.5%増とわずかに伸びた。中でもその他電気機器(HS8543類)が約2.5倍に拡大した。一方、2位の化学製品(15.1%)は10.3%減と3年連続で減少した。そのほか、真珠・貴石・金属およびその製品(8.4%)は23.8%減少した。これは同品目全体の8割強を占めるダイヤモンド(HS7102類)が26.4%減少したことによる。
| 品目 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
|
機械機器・電子機器・ 音響画像記録装置 |
18,215 | 18,480 | 31.4 | 1.5 |
| 化学製品 | 9,867 | 8,853 | 15.1 | △ 10.3 |
| 光学・医学・精密機器 | 7,525 | 7,818 | 13.3 | 3.9 |
| 真珠・貴石・金属およびその製品 | 6,477 | 4,933 | 8.4 | △ 23.8 |
| 鉱物性生産品 | 4,641 | 4,023 | 6.8 | △ 13.3 |
| 卑金属およびその製品 | 2,319 | 2,624 | 4.5 | 13.1 |
| ゴム・プラスチック製品 | 2,977 | 2,578 | 4.4 | △ 13.4 |
| 武器および銃砲弾 | 1,718 | 2,419 | 4.1 | 40.8 |
| 輸送機器 | 2,368 | 1,870 | 3.2 | △ 21.1 |
| 植物性生産品 | 1,540 | 1,616 | 2.7 | 5.0 |
| 調理済み食品、飲料、タバコ | 1,255 | 1,148 | 2.0 | △ 8.5 |
| 繊維製品 | 904 | 971 | 1.7 | 7.3 |
| 合計(その他含む) | 61,153 | 58,786 | 100.0 | △ 3.9 |
〔出所〕Global Trade Atlasのデータを基にジェトロ作成。
| 品目 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
|
機械機器・電子機器・ 音響画像記録装置 |
22,036 | 24,297 | 25.4 | 10.3 |
| 輸送機器 | 10,330 | 9,981 | 10.4 | △ 3.4 |
| 化学製品 | 9,126 | 9,719 | 10.2 | 6.5 |
| 鉱物性生産品 | 9,860 | 8,655 | 9.1 | △ 12.2 |
| 卑金属およびその製品 | 6,151 | 6,752 | 7.1 | 9.8 |
| 調理済み食品、飲料、タバコ | 4,273 | 4,559 | 4.8 | 6.7 |
| 光学・医学・精密機器 | 3,890 | 4,220 | 4.4 | 8.5 |
| ゴム・プラスチック製品 | 3,763 | 3,858 | 4.0 | 2.5 |
| 繊維製品 | 3,628 | 3,782 | 4.0 | 4.2 |
| 真珠・貴石・金属およびその製品 | 4,034 | 3,506 | 3.7 | △ 13.1 |
| 動物性生産品 | 2,509 | 2,961 | 3.1 | 18.0 |
| 植物性生産品 | 2,626 | 2,908 | 3.0 | 10.7 |
| 合計(その他含む) | 91,555 | 95,578 | 100.0 | 4.4 |
〔出所〕Global Trade Atlasのデータを基にジェトロ作成。
地域別に輸出を見ると、欧州(構成比31.2%、前年比7.6%減)、北米(28.5%、6.0%減)、アジア(20.6%、5.0%増)の順となった。
国別では、最大の輸出相手国である米国(構成比27.5%)がダイヤモンドの減少により前年比6.4%減となった。2位のドイツ(5.1%)はその他電気機器が12.0倍に拡大したことが寄与し、28.2%増となった。3位の中国(4.8%)は銅のくず(HS7404類)が3.3倍に拡大したが、ダイヤモンドや測定・検査用機器(HS9031類)の減少などにより0.6%減だった。4位のオランダ(4.5%)は2.8%減、5位のインド(4.2%)は6.7%増加した。そのほかアイルランド(2.6%)は集積回路の減少により、52.7%減と落ち込みが目立った。一方、日本(1.6%)は6.9%増加した。
輸入を品目別で見ると、構成比が最大の機械機器・電子機器・音響画像記録装置(25.4%)は前年比10.3%増加した。これは自動データ処理機械(HS8471類)の増加が寄与した。また、化学製品(10.2%)は6.5%増加した。一方、輸送機器(10.4%)は乗用自動車(HS8703類)の減少により3.4%減少した。鉱物性生産品(9.1%)は石油および歴青油(HS2709類)の減少を背景に12.2%減少した。
輸入を地域別に見ると、アジア(構成比36.7%、前年比8.6%増)、欧州(32.7%、7.7%増)、北米(10.9%、5.9%増)の順となった。
国別では、最大の輸入相手国である中国(構成比21.8%)は自動データ処理機械やフォークリフトトラック(HS8427類)などの増加により8.8%増加した。2位の米国(10.4%)はその他の航空機(HS8802類)やとうもろこし(HS1005類)などの増加により5.8%増、3位のドイツ(6.2%)は鉄道用の客車(HS8603類、HS8605類)の増加により5.2%増だった。4位のイタリア(4.2%)は11.5%増加し、5位の韓国(2.6%)も17.2%増加した。日本(1.8%)は10.6%減少した。
| 国・地域 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 欧州 | 19,874 | 18,367 | 31.2 | Δ 7.6 |
| EU27 | 17,549 | 16,131 | 27.4 | Δ 8.1 |
| ドイツ | 2,361 | 3,026 | 5.1 | 28.2 |
| オランダ | 2,724 | 2,648 | 4.5 | Δ 2.8 |
| アイルランド | 3,254 | 1,540 | 2.6 | Δ 52.7 |
| フランス | 1,419 | 1,368 | 2.3 | Δ 3.6 |
| ベルギー | 1,509 | 1,328 | 2.3 | Δ 12.0 |
| イタリア | 1,204 | 1,286 | 2.2 | 6.8 |
| スペイン | 963 | 1,005 | 1.7 | 4.4 |
| ポーランド | 382 | 579 | 1.0 | 51.6 |
| 英国 | 1,560 | 1,499 | 2.6 | Δ 3.9 |
| スイス | 579 | 552 | 0.9 | Δ 4.7 |
| 北米 | 17,836 | 16,768 | 28.5 | Δ 6.0 |
| 米国 | 17,266 | 16,153 | 27.5 | Δ 6.4 |
| カナダ | 570 | 615 | 1.0 | 7.9 |
| アジア | 11,509 | 12,090 | 20.6 | 5.0 |
| 中国 | 2,830 | 2,813 | 4.8 | Δ 0.6 |
| インド | 2,301 | 2,456 | 4.2 | 6.7 |
| 香港 | 2,010 | 1,978 | 3.4 | Δ 1.6 |
| 韓国 | 906 | 1,111 | 1.9 | 22.7 |
| 台湾 | 960 | 1,109 | 1.9 | 15.5 |
| 日本 | 891 | 952 | 1.6 | 6.9 |
| シンガポール | 751 | 825 | 1.4 | 9.9 |
| 中南米 | 2,234 | 2,314 | 3.9 | 3.5 |
| ブラジル | 1,154 | 1,261 | 2.1 | 9.3 |
| メキシコ | 370 | 381 | 0.6 | 3.0 |
| 中東 | 1,218 | 751 | 1.3 | Δ 38.3 |
| アラブ首長国連邦 | 503 | 636 | 1.1 | 26.5 |
| ロシア・CIS | 1,069 | 1,277 | 2.2 | 19.5 |
| ロシア | 476 | 489 | 0.8 | 2.7 |
| アゼルバイジャン | 244 | 418 | 0.7 | 71.4 |
| アフリカ | 756 | 652 | 1.1 | Δ 13.9 |
| エジプト | 306 | 204 | 0.3 | Δ 33.3 |
| 大洋州 | 555 | 548 | 0.9 | Δ 1.3 |
| オーストラリア | 445 | 499 | 0.8 | 12.2 |
| 合計(その他含む) | 61,153 | 58,786 | 100.0 | Δ 3.9 |
〔出所〕Global Trade Atlasのデータを基にジェトロ作成。
| 国・地域 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 欧州 | 28,993 | 31,215 | 32.7 | 7.7 |
| EU27 | 25,203 | 27,070 | 28.3 | 7.4 |
| ドイツ | 5,623 | 5,917 | 6.2 | 5.2 |
| イタリア | 3,628 | 4,045 | 4.2 | 11.5 |
| フランス | 2,206 | 2,425 | 2.5 | 9.9 |
| スペイン | 2,074 | 1,909 | 2.0 | Δ 8.0 |
| オランダ | 1,532 | 1,558 | 1.6 | 1.7 |
| ベルギー | 1,320 | 1,497 | 1.6 | 13.4 |
| ポーランド | 1,237 | 1,418 | 1.5 | 14.6 |
| チェコ | 1,130 | 1,229 | 1.3 | 8.8 |
| ギリシャ | 1,086 | 1,113 | 1.2 | 2.4 |
| 英国 | 1,968 | 2,232 | 2.3 | 13.4 |
| スイス | 1,350 | 1,430 | 1.5 | 5.9 |
| 北米 | 9,797 | 10,373 | 10.9 | 5.9 |
| 米国 | 9,395 | 9,938 | 10.4 | 5.8 |
| アジア | 32,303 | 35,082 | 36.7 | 8.6 |
| 中国 | 19,103 | 20,792 | 21.8 | 8.8 |
| 韓国 | 2,150 | 2,520 | 2.6 | 17.2 |
| インド | 2,081 | 2,204 | 2.3 | 5.9 |
| 台湾 | 1,477 | 1,751 | 1.8 | 18.6 |
| 日本 | 1,942 | 1,736 | 1.8 | Δ 10.6 |
| ベトナム | 1,456 | 1,634 | 1.7 | 12.2 |
| 香港 | 1,131 | 1,225 | 1.3 | 8.3 |
| タイ | 1,008 | 1,023 | 1.1 | 1.5 |
| 中南米 | 2,632 | 2,890 | 3.0 | 9.8 |
| アルゼンチン | 577 | 744 | 0.8 | 28.9 |
| メキシコ | 609 | 656 | 0.7 | 7.7 |
| 中東 | 4,019 | 3,471 | 3.6 | Δ 13.6 |
| トルコ | 2,868 | 2,115 | 2.2 | Δ 26.3 |
| アラブ首長国連邦 | 934 | 1,111 | 1.2 | 19.0 |
| ロシア・CIS | 3,204 | 3,047 | 3.2 | Δ 4.9 |
| ロシア | 2,371 | 2,358 | 2.5 | Δ 0.5 |
| アフリカ | 1,103 | 1,264 | 1.3 | 14.6 |
| エジプト | 556 | 687 | 0.7 | 23.6 |
| 大洋州 | 176 | 161 | 0.2 | Δ 8.3 |
| 合計(その他含む) | 91,555 | 95,578 | 100.0 | 4.4 |
〔出所〕Global Trade Atlasのデータを基にジェトロ作成。
対内・対外直接投資
対内直接投資が大幅増加
イスラエル中央統計局(CBS)によると、2025年の対内直接投資は262億4,200万ドル(国際収支ベース、ネット、フロー)で、前年から77.6%増加した。内訳を見ると、株式資本(構成比24.0%)は16.9%増加し、収益の再投資(78.6%)は約2.1倍となった。対外直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は147億1,800万ドルで、前年から48.3%増加した。株式資本(19.7%)は39.5%減少したが、収益の再投資(43.0%)は約2.9倍となった。
2025年のイスラエル企業を対象としたクロスボーダーM&Aは、ソフトウエア、フィンテック、医療機器分野を中心に大型案件がみられた。上位案件の多くをソフトウエア関連企業が占めた。また、米国企業による買収が目立つ一方、ニュージーランド、スウェーデン、カナダなど幅広い国・地域の企業による買収もみられた。
最大の案件は、10月にニュージーランドの会計ソフト大手ゼロ(Xero)が決済・金融サービスを提供するメリオ(Melio)の全株式を取得した案件だった(買収額30億600万ドル)。次いで12月には、米国の投資ファンドであるアドベント・インターナショナル(Advent International)が保険業界向けソフトウエアを手掛けるサピエンス・インターナショナル(Sapiens International)の過半数株式を取得し、同社を非公開化した(13億7,300万ドル)。また、2月にはスウェーデンのモダン・タイムズ・グループ(MTG)がモバイルゲーム開発企業プラリウム(Plarium)の全株式を取得した(8億2,000万ドル)。医療分野では、5月には米国の医療機器大手ボストン・サイエンティフィック(Boston Scientific)が高血圧治療向けの超音波腎デナベーション技術を開発する医療機器企業ソニビー(SoniVie)の全株式を取得した(5億4,000万ドル)。また、9月には米国の心疾患向け医療機器製造企業エドワーズ・ライフサイエンシーズ(Edwards Lifesciences)が医療機器企業ベクトリアス・メディカル・テクノロジーズ(Vectorious Medical Technologies)の残る株式を取得し、完全子会社化した(4億9,700万ドル)。このほか、6月には米国の半導体大手クアルコム(Qualcomm)が車載通信向け半導体を開発するオートトークス(Autotalks)の全株式を取得した(3億5,000万ドル)。さらに、7月にはカナダの宇宙関連企業MDAスペース(MDA Space)が衛星通信向け半導体メーカーのサティクスファイ・コミュニケーションズ(SatixFy Communications)の全株式を取得した(2億5,900万ドル)。
対日関係
対イスラエル貿易は輸出減、輸入増で赤字幅が拡大
日本の財務省貿易統計をドル換算したものによると、2025年の日本からイスラエルへの輸出は前年比9.3%減の12億8,709万ドル、輸入は15.8%増の16億7,223万ドルとなった。輸出の減少と輸入の増加により、日本の貿易収支の赤字幅は、前年の2,578万ドルから約14.9倍の3億8,514万ドルに拡大した。
日本からの輸出を品目別に見ると、全体の48.5%を占める輸送用機器が前年比26.6%減となり、輸出全体を押し下げた。主力の自動車が28.0%減少し、特に乗用車が32.7%減と大きく落ち込んだが、バス・トラックは3.8倍、二輪自動車は77.8%増と大幅に増加した。一般機械は28.4%増加した。半導体等製造装置が69.5%増、原動機が9.6倍、建設用・鉱山用機械が83.1%増と大幅に伸長した。化学製品は23.3%増加し、電気機器も10.1%増となった。電気機器では半導体等電子部品が26.0%増加し、電気回路等の機器は約2.2倍となった。
一方、日本への輸入を大分類別に見ると、全体の47.0%を占める電気機器が22.0%増加し、輸入全体の増加を牽引した。同分類では最大品目の半導体等電子部品が38.2%増となり、このうちICは37.8%増加した。また、電気計測機器も約3.1倍と大幅に伸びた。一方で、通信機は70.1%減少した。一般機械は15.7%増加した。同分類では電算機類(含周辺機器)が69.3%増となり、原動機も1.0%増加した。化学製品は8.9%増となり、医薬品が31.4%増加した。一方、食料品は16.3%減少し、主要品目の果実が16.7%減となったことが影響した。
日本の対イスラエル投資は件数減少も、金額は4年ぶりに増加
日本銀行の国別・業種別対外・対内直接投資統計(国際収支ベース、ネット、フロー)によると、 2025年の日本の対イスラエル直接投資額は221億円 となった。内訳を見ると、製造業では227億円だったが、非製造業では6億円の引き揚げ超過となった。一方、2025年のイスラエルから日本への直接投資額は66億円の流出超過となった。内訳では、サービス業で37億円の流出超過、通信業で30億円の流出超過となった。
2023年10月に発生したイスラエルとハマスの衝突の影響もあり、日本企業によるイスラエル企業への投資は近年減少傾向にあった。しかし、2025年は投資件数こそ減少したものの、投資金額は増加に転じた。イスラエルの投資コンサルティング会社ハレル・ハーツ・インベストメント・ハウス(Harel-Hertz Investment House)のレポートによると、2025年の日本からイスラエルへの投資件数は33件、投資金額は5億5,100万ドルとなり、前年に比べて件数は41.1%減少したものの、金額は18.8%増加した。日本からイスラエルへの投資額の増加は4年ぶりとなった。
日本の外務省の海外進出日系企業拠点数調査によると、2025年10月時点のイスラエル進出日系企業の拠点数は87で、前年から1拠点の微減となった。中東地域ではアラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビアに次ぐ4番目の進出先となっている。ジェトロが実施した海外進出日系企業実態調査(中東編、2025年12月発表)によると、2025年の業績見通しについて、設問に回答したイスラエル進出日系企業16社のうち31.3%が「黒字」とした。さらに、今後1~2年の事業展開の方向性については、25社のうち32.0%が「拡大する」と回答した。
| 品目 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 輸送用機器 | 851,246 | 624,729 | 48.5 | △ 26.6 |
| 自動車 | 835,724 | 601,674 | 46.7 | △ 28.0 |
| 乗用車 | 823,331 | 554,102 | 43.1 | △ 32.7 |
| バス・トラック | 12,393 | 47,572 | 3.7 | 283.9 |
| 二輪自動車 | 8,605 | 15,297 | 1.2 | 77.8 |
| 一般機械 | 139,778 | 179,496 | 13.9 | 28.4 |
| 半導体等製造装置 | 39,280 | 66,588 | 5.2 | 69.5 |
| 金属加工機械 | 34,320 | 25,621 | 2.0 | △ 25.3 |
| 原動機 | 2,328 | 22,426 | 1.7 | 863.3 |
| 建設用・鉱山用機械 | 6,055 | 11,089 | 0.9 | 83.1 |
| 加熱用・冷却用機器 | 9,092 | 8,870 | 0.7 | △ 2.4 |
| 化学製品 | 120,760 | 148,924 | 11.6 | 23.3 |
| プラスチック | 34,231 | 40,581 | 3.2 | 18.6 |
| 電気機器 | 59,297 | 65,277 | 5.1 | 10.1 |
| 半導体等電子部品 | 10,330 | 13,019 | 1.0 | 26.0 |
| 電気回路等の機器 | 5,036 | 11,018 | 0.9 | 118.8 |
| 原料別製品 | 36,600 | 36,342 | 2.8 | △ 0.7 |
| ゴム製品 | 9,173 | 9,446 | 0.7 | 3.0 |
| 非金属鉱物製品 | 12,213 | 8,076 | 0.6 | △ 33.9 |
| 金属製品 | 6,510 | 7,985 | 0.6 | 22.7 |
| 食料品 | 6,116 | 8,435 | 0.7 | 37.9 |
| その他 | 200,077 | 219,397 | 17.0 | 9.7 |
| 科学光学機器 | 28,138 | 25,589 | 2.0 | △ 9.1 |
| 写真用・映画用材料 | 20,834 | 11,342 | 0.9 | △ 45.6 |
| 合計(その他含む) | 1,418,761 | 1,287,093 | 100.0 | △ 9.3 |
〔出所〕 財務省「貿易統計(通関ベース)」をドル換算
| 品目 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 電気機器 | 644,916 | 786,662 | 47.0 | 22.0 |
| 半導体等電子部品 | 359,258 | 496,625 | 29.7 | 38.2 |
| IC | 352,920 | 486,171 | 29.1 | 37.8 |
| 電気計測機器 | 34,493 | 105,810 | 6.3 | 206.8 |
| 通信機 | 78,361 | 23,463 | 1.4 | △ 70.1 |
| 重電機器 | 20,917 | 14,863 | 0.9 | △ 28.9 |
| 音響映像機器 | 12,789 | 7,248 | 0.4 | △ 43.3 |
| 一般機械 | 187,255 | 216,635 | 13.0 | 15.7 |
| 原動機 | 96,604 | 97,531 | 5.8 | 1.0 |
| 電算機類(含周辺機器) | 21,625 | 36,601 | 2.2 | 69.3 |
| 化学製品 | 148,208 | 161,389 | 9.7 | 8.9 |
| 医薬品 | 40,751 | 53,553 | 3.2 | 31.4 |
| 有機化合物 | 26,842 | 21,976 | 1.3 | △ 18.1 |
| 食料品 | 119,721 | 100,224 | 6.0 | △ 16.3 |
| 果実 | 113,273 | 94,370 | 5.6 | △ 16.7 |
| 原料別製品 | 103,793 | 115,422 | 6.9 | 11.2 |
| 金属製品 | 55,187 | 49,496 | 3.0 | △ 10.3 |
| 非金属鉱物製品 | 33,921 | 37,007 | 2.2 | 9.1 |
| 織物用糸・繊維製品 | 5,692 | 21,074 | 1.3 | 270.2 |
| 原料品 | 16,964 | 48,169 | 2.9 | 183.9 |
| 輸送用機器 | 12,284 | 8,991 | 0.5 | △ 26.8 |
| 航空機類 | 11,918 | 8,564 | 0.5 | △ 28.1 |
| その他 | 211,087 | 234,482 | 14.0 | 11.1 |
| 科学光学機器 | 174,817 | 196,278 | 11.7 | 12.3 |
| 合計(その他含む) | 1,444,541 | 1,672,230 | 100.0 | 15.8 |
〔出所〕 財務省「貿易統計(通関ベース)」をドル換算
基礎的経済指標
| 項目 | 単位 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|
| 実質GDP成長率 | (%) | 2.1 | 1.0 | 2.9 |
| 1人当たりGDP | (米ドル) | 52,146 | 54,294 | 60,335 |
| 消費者物価上昇率 | (%) | 3.0 | 3.2 | 2.6 |
| 失業率 | (%) | 3.4 | 3.0 | 3.0 |
| 貿易収支 | (100万米ドル) | △ 20,576 | △ 26,302 | △ 25,375 |
| 経常収支 | (100万米ドル) | 16,072 | 15,846 | 9,908 |
| 外貨準備高(グロス) | (100万米ドル) | 204,661 | 214,544 | 229,487 |
| 対外債務残高(グロス) | (100万米ドル) | 144,496 | 147,291 | 165,468 |
| 為替レート | (1米ドルにつき、シェケル、期中平均) | 3.67 | 3.70 | 3.45 |
〔注〕
貿易収支:国際収支ベース(財のみ)
〔出所〕
実質GDP成長率、消費者物価上昇率、失業率、貿易収支、経常収支、対外債務残高(グロス):イスラエル中央統計局(CBS)
1人当たりGDP、外貨準備高(グロス)、為替レート:IMF





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