日本からの輸出に関する制度

コメ・パックご飯・米粉および米粉製品の輸入規制、輸入手続き

UAEの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年7月

1. 放射性物質規制

アラブ首長国連邦(UAE)政府は、2020年12月10日付で東京電力福島第一原子力発電所事故の発生に伴う日本産食品の輸入規制を撤廃しました。

2. 輸入地域規制

UAEは、2020年8月29日に、イスラエルを原産とする製品およびイスラエルのトレードマークやロゴが付された製品の輸入規制を撤廃しました。

また、カタールとの断交以降、カタールとの輸出入は不可となっていましたが、2021年1月5日にサウジアラビアのアルウラで開催された第41回湾岸協力会議(GCC)首脳会議に際して、GCCおよびエジプトが「アルウラ声明」に署名し、各国のカタールとの断交問題に区切りが付けられました。その後、UAEの各港湾管理庁がカタールとの輸出入に関する規制の緩和を発表しており、現在は輸出入が可能となっています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年7月

(1)製造・加工施設の登録の有無、その方法
UAEにおいてコメ・パックご飯・米粉および米粉製品を輸入する際は、輸入される商品の製造・加工施設の登録は必要ありません。ただし、輸入される商品を現地の輸入管理システムに登録する際に必要となる商品ラベルに会社情報(企業名、住所)が記載されている必要があります。
(2)輸出事業者の登録の有無、その登録方法
UAEにおいてコメ・パックご飯・米粉および米粉製品を輸入する際は、輸入される商品の輸出事業者の登録は必要ありません。
(3)輸入通関にあたり、輸出者側で用意すべき書類
UAEにおいて、輸入される食品の輸入通関にあたり、輸出者側で用意すべき書類は次のとおりです:
  • 船荷証券(B/L)
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 原産地証明書
  • 衛生証明書(日本の商工会議所で衛生証明書の代替となるサイン証明書を取得する必要があります。その際、ドバイ向けにかぎっては、サイン証明書の書式が規格化されています。書式は、サイン証明を発給する最寄りの商工会議所から入手してください。)
  • ハラール証明書(畜肉および畜肉派生品のみ必要なので、コメ・パックご飯・米粉および米粉製品の場合は不要)

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年7月

UAEに日本からコメ(精米および玄米)を輸出する場合には、植物検疫証明書が必要となります。
UAEに日本からパックご飯・米粉および米粉製品を輸入する場合は、動物および植物検疫証明書なしで輸出できます。

UAEでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年7月

UAEにおける食品の輸入手続きは、各首長国の税関および食品安全局(Food Safety Department:食品管理局)や農業食品安全機関(Agriculture and Food Safety Authority)がその実施を担っています。
ドバイ首長国の場合、コメ・パックご飯・米粉および米粉製品を含むすべての食品の輸入に際して、輸入者によるドバイ市政庁食品安全局の食品輸入再輸出システム(FIRS:Food Import Re-Export System)への事前登録が必要となります(輸入者の要件は「輸入手続き」の「3.販売許可手続き」を参照)。輸入する食品はすべてFIRSの登録分類システムに登録することになっており、輸入者は、輸入前に食品ラベルの評価も実施する必要があります。FIRSへの登録は、ドバイ市政庁E-Governmentを通じて行います。登録と輸入申請のための手順は次のとおりです。

  • 企業の登録:商業ライセンスを持つ輸入者がドバイ市政庁のE-Governmentウェブサイトに登録してアカウントを作成し、そのうえでFIRSへの登録を行います。
  • 食品の登録とラベル評価手続き:バーコード番号に基づいて輸入する食品をFIRSに登録し、ラベル評価手続きを行います。
  • 食品輸入申請:FIRSの登録分類システムに登録した食品について、FIRSを通じて必要情報を入力し、輸入申請を提出します。手続きが完了すると照会番号が作成されます。この番号は港での検査時に必要になります。

2018年2月からUAEの各首長国で共通運用する連邦気候変動環境省のポータルサイトのZAD(アラビア語で食品の意)システムの運用が開始されました。ドバイ首長国が従来利用していたFIRSシステムはZADシステムと互換性を持っており、ドバイ首長国においては現在もFIRSシステムが利用されています。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年7月

前述の「輸入通関にあたり、輸出者側で用意すべき書類」で記載されているとおり、日本からコメ・パックご飯・米粉および米粉製品をUAEへ輸入する際に必要となる通関提出書類は次のとおりです。

  • 輸入申告書
  • 荷渡指図書(D/O)
  • 船荷証券(B/L)
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 原産地証明書
  • 衛生証明書(日本の商工会議所で衛生証明書の代替となるサイン証明書を取得する必要があります。その際、ドバイ向けにかぎっては、サイン証明書の書式が規格化されています。書式は、サイン証明を発給する最寄りの商工会議所から入手してください。)
  • ハラール証明書(畜肉および畜肉派生品のみに必要なため、日本からコメ・パックご飯・米粉および米粉製品の場合は不要です。)

通関については各首長国の税関が窓口となっており、ドバイ首長国においてはDubai Customs(ドバイ税関)が担当しています。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年7月

GCCでは、各食品のリスクの高さに応じた食品検査システムを導入しており、輸入食品の種類によって検査の手続きが異なります。リスク分類のカテゴリーは、高中低の3段階で、人の健康に及ぼす危険性の度合いにより分類されます。GCC諸国は、このリスクベースシステムの分類に基づいて、輸入時の検査を実施する必要があります。
UAEにおける食品検査は、輸入通関手続地の食品安全局または食品管理庁が担っています。ドバイ首長国の場合、食品のラボラトリー検査は、ドバイ市政庁食品安全局の食品輸入再輸出サービス(FIRS)システムのリスク基準に従ってサンプル抽出し実施されています。
アブダビ首長国では、食品の種類によって人間に及ぼすリスクを高中低の3段階に分け、食品検査を実施しています。この食品の分類には「Rice(コメ)」というカテゴリーが中リスクに分類されています。中リスクに分類される食品は、50~70%については衛生書類の確認のみ、15~25%については衛生書類の確認と貨物検査(現地当局担当者による、貨物の目視検査)、残りの15~25%については衛生書類の確認と貨物検査に加えサンプル抽出とラボラトリー検査を実施しています。また、小麦粉およびデンプンについても中リスクに分類されていることから、米粉および米粉製品についても、中リスクに分類される可能性があると考えられます。リスク分類ごとの食品リストやリスクの分類は随時、変更される可能性があります。

食品のリスク分類
食品のリスク分類と検査頻度
食品のリスク分類 衛生書類の確認
貨物検査
サンプル抽出・ラボラトリー検査
衛生書類の確認
貨物検査
衛生書類の確認
高リスク 80~100% 0~10% 0~10%
中リスク 15~25% 15~25% 50~70%
低リスク 5~10% 0~5% 85~90%

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年7月

UAEでコメ・パックご飯・米粉および米粉製品を輸入・販売するにあたり、UAE国内共通のライセンスや登録はありませんが、輸入者は各首長国において食品に特化した商業ライセンスまたは一般商業ライセンスを取得する必要があります。商業ライセンスの発行は、各首長国の経済発展局(DED:Department of Economic Development)がそれぞれ実施しています。さらに、輸入者は、税関で登録し、会社コードを取得する必要があります。

5. その他

調査時点:2021年7月

なし

UAE内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年7月

UAEにおいては、輸入されるコメ・米粉および米粉製品に対して関税は課せられません。
パックご飯に対しては、5%の関税が課せられます。

2. その他の税

調査時点:2021年7月

2018年1月1日からはすべての食品・飲料を含み、一律5%のVATが導入されています。

3. その他

調査時点:2021年7月

なし

その他

調査時点:2021年7月

1.ハラール認証
UAEでは、動物および家禽類由来の肉派生品(現状は、牛肉および牛肉派生品に限る)は、ハラール認証を得た食肉処理場で加工されたものでなければ、輸入ができません。輸入の際には、ハラールであることを示すハラール証明書が必要になります。食肉以外でも、ハラール認証のない食肉処理場で加工された油脂などの肉の派生品を原材料に含む食品は輸入ができないため注意が必要です。
ハラール証明書は、輸出国にあるイスラーム団体(ハラール・サーティフィケーション・ボディ:HCB)が産業先端技術省(MoIAT)に申請を行い、MoIATの関連組織で、HCBとしての適正を審査し、認可する組織のエミレーツ・インターナショナル・アクレディテーション・センター:EIAC)などが認可(Accredit)したHCBのみが発行でき、輸入時の許可要件の必要書類となっています。2021年7月時点において、EIACがHCBとして認可しており、UAEのハラール認証と相互認証を取得している日本国内の団体は、日本宗教法人日本イスラーム文化センター(Japan Islamic Trust)、エミレーツハラールセンター(Emirates Halal Center for Standards & Quality Certificate Corporation)、NPO法人日本ハラール協会(Japan Halal Association)、プライムサーティフィケーション&インスペクションカンパニー(Prime Certification & Inspection Company Ltd.) の4カ所が該当します。
UAEでは、特定の場所を除き、国内で流通しているものは原則ハラール食品となっています。そのため、輸入にあたってMoIATが発行するUAEのハラールマークの貼付は前述の動物および家禽類由来の肉派生品と肉の派生品を原材料に含む食品以外の許可条件となっておらず、UAE国内での販売には特に必要ありません。ただし、前述の国内4カ所のHCBいずれかよりハラール認証を取得することで、ハラールマークをパッケージに表示させることは可能です。
ハラールマークの取得に関する規制の詳細は、MoIATが2015年4月発行したUAE規格「UAE.S 2055-1:2015ハラール製品-パート1:ハラール食品の一般要件(HALAL FOOD - Part 1 : General Requirements)」に定められています。規格は、MoIATのウェブサイトにおいて購入が可能です。
2.オーガニック(有機)認証
UAEにおいては、オーガニックの表記について、UAE.S GSO 2374 :2014 オーガニック食品の製造・加工・ラベル表示・マーケティングに関するガイドライン(Guidelines for the Production, Processing, Labelling and Marketing of Organically Produced Foods)という規格が制定されており、オーガニック表記を行う食品については、本規格に適合することが求められます。これらの規格は、UAEの産業先端技術省(MoIAT)のウェブサイトにおいて購入が可能です。
なお